• "議員地元"(/)
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  1. 奈良県議会 2019-09-01
    09月20日-05号


    取得元: 奈良県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 元年  9月 定例会(第338回) 令和元年        第三百三十八回定例奈良県議会会議録  第五号 九月   令和元年九月二十日(金曜日)午後一時〇一分開議   --------------------------------          出席議員(四十二名)        一番 小村尚己          二番 樋口清士        三番 植村佳史          四番 川口延良        五番 山中益敏          六番 亀甲義明        七番 中川 崇          八番 小林 誠        九番 浦西敦史         一〇番 欠員       一一番 池田慎久         一二番 西川 均       一三番 乾 浩之         一四番 松本宗弘       一五番 大国正博         一六番 太田 敦       一七番 佐藤光紀         一八番 清水 勉       一九番 阪口 保         二〇番 井岡正徳       二一番 田中惟允         二二番 中野雅史       二三番 奥山博康         二四番 荻田義雄       二五番 岩田国夫         二六番 小林照代       二七番 山村幸穂         二八番 猪奥美里       二九番 尾崎充典         三〇番 藤野良次       三一番 和田恵治         三二番 国中憲治       三三番 米田忠則         三四番 出口武男       三五番 粒谷友示         三六番 秋本登志嗣       三七番 小泉米造         三八番 中村 昭       三九番 今井光子         四〇番 森山賀文       四一番 田尻 匠         四二番 山本進章       四三番 川口正志   --------------------------------        議事日程 一、当局に対する一般質問 一、総務警察委員長報告と同採決 一、追加議案の上程 一、予算・決算審査特別委員会の設置と正副委員長及び委員の選任並びに議案の付託 一、議案の常任委員会付託   -------------------------------- ○副議長(森山賀文) これより本日の会議を開きます。 会議時間を午後六時まで延長します。   -------------------------------- ○副議長(森山賀文) この際、お諮りします。 追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ご異議がないものと認め、さように決します。   -------------------------------- ○副議長(森山賀文) 次に、当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、十三番乾浩之議員に発言を許します。--十三番乾浩之議員。(拍手) ◆十三番(乾浩之) (登壇)皆さん、こんにちは。奈良テレビをごらんの皆さん、こんにちは。北葛城郡選挙区選出の自民党奈良の乾浩之でございます。今回もたくさんの応援団の皆さんに傍聴席に来ていただき、誠に心強い限りであります。 議長のお許しをいただきましたので、通算十二回目となります本会議での質問をさせていただきます。 まず初めに、今月の台風十五号によって関東地方でたくさんの被害が発生しました。被害に遭われた皆さんに対しまして、心よりお見舞い申し上げます。千葉県内の停電をはじめとして、いまだ不自由な生活を送られている方もたくさんおられます。一日も早い復旧を願っております。 さて、具体的な質問に入る前に、令和の時代とともに始まりました荒井県政四期目への期待について述べさせていただきます。 私は八月の初め、政府予算要望のため、荒井知事とともに上京し、各省庁の幹部と面談をしてきましたが、どの省庁でも熱心に話を聞いてもらい、奈良県の課題について一緒に考えてもらえる大変すばらしい関係がありました。そこで改めて感じたのは、荒井知事の広い人脈と政策提案力、そして偉大さでございます。運輸省時代にミスター鉄道と呼ばれたという荒井知事は、特に国土交通省や鉄道事業者と太いパイプを持っておられることが印象的で、知事の公約どおり、奈良県はこれからももっとよくなると確信したところでございます。 また、知事選挙後に早速まとめられた奈良新「都」づくり戦略(案)には、県、市町村の連携強化、大和川の洪水対策、県域水道の一体化、ごみ処理の広域化、もうかる農業の振興、西和医療センターの移転・再整備、馬見丘陵公園の整備など、私の地元北葛城郡に関すること、たくさん盛り込んでいただいております。知事の気配りに感謝申し上げるとともに、これからの取り組みがしっかり成果を上げられるよう、私も地元議員として、これから四年間精いっぱい間に合う議員として働いていきたいと決意しているところでございます。 それでは、質問に入らせていただきます。 本日はまず、県と市町村の連携強化による行政サービスの向上と効率化について、荒井知事にお伺いします。 荒井知事は、日ごろから統計重視を唱えられ、さまざまな行政課題について市町村長と定期的に意見交換を行いながら、県と市町村の連携により、県全体としての行政サービスの向上を進めておられます。 その結果、私の周りでも地域が住みやすいと考えている人がふえていると感じています。その一例に、県が毎年行っている県民アンケート調査があります。その中で、西部地域で住みやすさの評価が平成二十六年の六三%から平成三十年には七〇%に大きく向上しているのが目立ちます。これは、王寺周辺の各町が住民生活の向上のため、知恵を絞って努力している結果があらわれているのではないかと思います。 しかし、広陵町は中部地域に区分されており、周辺の市と一緒になって広陵町の頑張りが見えにくいのが残念に思われます。 そこで、知事にお伺いします。 今後、県民アンケート調査の質問項目にある住みやすさの評価や、行政サービスに関する満足度を県全体や地域別だけでなく、市町村ごとにも公表するなどして、各市町村の努力の成果が見え、より行政サービスの向上に資するアンケート調査にすべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、私が会長を務める北葛地域政策研究会では、先月に県庁から講師を招いて、市町村の財政状況の勉強をしたところでございます。その際にも、県内市町村の経常収支比率がかなり高いことが気になりました。経常的経費の大部分は人件費ですので、今後の自治体経営を考えると、職員の数のさらなる削減も予想されるなど、厳しい状況にあります。全国的に人口減少、少子高齢化が進み、市町村の行政需要が確実に増加すると見込まれる中、厳しい状況にある市町村が質の高いサービスを提供していくためには、効率化に向けた一層の取り組みが必要だと考えます。 そこで、知事にお伺いします。 県では、これまでから県と市町村の連携協働による奈良モデルに取り組んでこられましたが、市町村の行財政運営の効率化を図る観点から、今後どのように支援をしていこうと考えておられるのでしょうか。 次に、西和医療センターの移転整備について知事に伺います。 日本社会の二〇二五年問題が十年ほど前から大きな課題になっています。これは、一九四七年から一九四九年に生まれた団塊の世代が後期高齢者になる二〇二五年ごろには、認知症患者や老老介護の世帯が急増し、介護や医療のサービスが追いつかなくなるという問題です。このような事態に備えて、奈良県でも二〇二五年を見据えた地域医療構想を策定し、高齢化社会に対応した医療提供体制の構築に取り組んでいるところであります。 本県における医療提供体制構築の取り組みの一つとして、昨年五月に新たに移転オープンした奈良県総合医療センターは、救急医療や周産期医療、がん医療の充実を図り、奈良県の北部の高度医療の拠点病院として運営も順調であると聞いています。 県立医科大学附属病院でも三年前にE病棟が全面供用を開始し、高度医療拠点病院としてさらなる充実が図られ、また、県南部地域においても南奈良総合医療センターが県南部の救急医療の拠点として機能し、ドクターヘリも運用が開始されています。このように、奈良県の北和、中和、南和のそれぞれの地域で医療体制の充実が図られる中、次は西和地域の医療体制の整備が必要ではないかと感じております。 奈良県総合医療センターとともに、地域医療の中核を担う拠点病院の一つである西和医療センターを中心とした西和地域の医療体制についても、二〇二五年までにしっかりとした体制をつくっておく必要があると思います。 今年度からスタートした県立病院機構の第二期中期計画では、西和医療センターについて、王寺駅周辺地区への移転を含めた再整備方針の検討が上げられています。 また、現在の西和医療センターへの交通アクセスについてホームページを見てみますと、王寺駅から徒歩十五分となっています。県として、高齢ドライバーに運転免許の自主返納を勧めていることも合わせて考えると、アクセスがよく、高齢者に優しい立地にできるだけ早く移転することが望まれます。 そこで、知事にお伺いします。 急速な高齢化で地域医療体制の構築が急がれる中、西和医療センターの移転再整備をどのようなスケジュールで進めていこうと考えておられるのでしょうか。 次に、馬見丘陵公園魅力アップと渋滞対策について、知事に伺います。 北葛城郡の河合町と広陵町にまたがる馬見丘陵に開設された馬見丘陵公園は、平成三年の開園から三十年近くなりますが、二〇一〇年の全国都市緑化フェアをきっかけに春のチューリップ、夏のヒマワリ、秋のダリア、冬のイルミネーションと、四季折々のイベントが充実し、毎年百万人もの人が訪れる名所となりました。しかし、にぎわいの一方で、イベント期間中の交通渋滞が大きな問題になっており、十分な臨時駐車場の確保を進めていく必要があると思います。 この馬見丘陵公園は、今や北葛城郡のシンボルになっており、秋の馬見フラワーフェスタには地元四町の町長もそろって出席する予定と聞いております。この地元の期待に応えて、各町との連携をさらに強め、公園の総合的な魅力アップと課題解決を図ってはどうかと考えます。 河合町は近畿日本鉄道株式会社に働きかけて、駅名に馬見丘陵公園を加えてもらい、池部駅を公園の玄関口に位置づけようとしています。県もこれに呼応して駅前から続く緑道の魅力アップを図れば、電車での来場がふえるのではないかと思います。 また、広陵町の竹取公園周辺地区のまちづくりとの連携や、王寺町の雪丸ドローンを活用した取り組みなどにより、より一層の魅力アップにつながると思います。さらに、上牧町には大きなショッピングセンターがありますので、イベント時にそこからシャトルバスを走らせることも渋滞対策になると思います。 そこで、知事にお伺いします。 毎年百万人が訪れるようになった馬見丘陵公園のさらなる魅力アップと、イベント時の渋滞対策について、今後どのように取り組もうと考えておられるのかお聞かせください。 次に、大和川流域の治水対策について、知事にお伺いします。 ことしの夏は梅雨明けが遅く、七月末に梅雨が明けたと思うと、連日三十五度を超える酷暑が続き、観測史上最高という表現が何度も聞かれる暑い夏となりました。また、昨年は六月末から七月初めにかけて、西日本を中心とした集中豪雨により、岡山県などで洪水や土砂崩れなどにより五万棟の住宅が被災し、死者・行方不明者が二百四十名を超える平成最悪の豪雨災害となりました。 さらに、おととし、十月の台風二十一号による豪雨では、県内全域において約四百戸が浸水や損壊の被害を受けました。このときは、私の住む広陵町大場地域も大雨により、内水が原因で道路が冠水し、徒歩や車で避難できない状況になりました。先月末にも九州北部で記録的な大雨により、佐賀県などでは甚大な浸水被害に見舞われています。 このように、これまでなかった異常な気象現象が毎年起こる中、昨年の国会で気候変動適応法が成立し、国として防災対策を含め、これから起きる気候変動に適応するための計画を策定する事態となっています。台風などによる出水期のシーズンを迎えるたびに、これまで私は何度も議会の場で訴えかけておりますが、多くの県民が住む奈良盆地は、盆地内とその周辺の山地に降った雨が大和川に集中し、もともと洪水の起こりやすい地域です。奈良盆地特有のリスクを踏まえた豪雨対策を一刻も早く進める必要があります。 そこで、知事にお伺いします。 台風豪雨などの対策として、貯留施設を設けることは奈良県の特性に即した効果的な対策であり、私は一日でも早く、一つでも多く貯留施設を設置していただきたいと願っています。異常とされる気象現象が毎年起こる時代に、効果的な豪雨対策を一刻も早く進める必要があると考えますが、今後の平成緊急内水対策事業の見通しについてお聞かせください。 次に、特殊車両通行許可の迅速化について県土マネジメント部長に伺います。 我が国は、これから人口減少と高齢化の進展に伴い、深刻な労働力不足が予想されていますが、物流を通じて産業や生活を支えているトラック業界も例外ではありません。そのトラック業界では、ドライバー不足に対応するため、全長二十メートルを超えるダブル連結トラックに代表される車両の大型化が進み、そのために、全国的に大型トレーラー等の通行に必要な特殊車両通行許可の申請件数がふえ、審査期間が長期化し、大型車両の機動的な運行に支障を来している現状があります。 この問題については、本日資料をお配りしているように、奈良県トラック協会から県に対して要望も出されているところであります。この特殊車両通行許可の審査は、国により道路情報便覧としてデータベース化審査システムの構築、改善が進められるなど、審査の短期化、省力化のための取り組みが行われているものの、車両の大型化や物流の活性化等により審査案件が急増し、期間の短縮には至っておりません。 奈良県では、荒井知事が先頭に立って企業誘致に取り組まれ、工業団地へのアクセス道路の整備を進められておられますが、誘致した企業の工場建設に使うクレーン車や、完成した工場から製品を出荷する大型トレーラーなどが運行しやすい条件整備も早急に進めていく必要があると考えられます。 そこで、県土マネジメント部長にお伺いします。 奈良県は、他の道路管理者に比べて特殊車両通行許可の審査に時間を要しているとお聞きしていますが、今後この事務の迅速化を図るため、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。 次に、県道天理王寺線の整備について、県土マネジメント部長に質問いたします。 県では、県管理道路の総合的かつ計画的な整備を図るため、奈良県道路整備基本計画を策定されています。この道路整備基本計画では、県土の骨格を形成すべき特に重要な路線網を骨格幹線道路ネットワークとして位置づけ、骨格幹線道路の整備を重点的に推進されておられます。 骨格幹線道路ネットワークの一部を担う天理王寺線は、天理市の国道一六九号を起点として、国道二四号や京奈和自動車道、大和中央道と交差し、北葛城郡王寺町の国道一六八号に至る大和平野中部地域を東西に結ぶ重要な幹線道路です。沿線周辺には住宅地や商業施設のほか、唐院工業団地結崎工業団地など工場集積地が位置しており、工業団地へのアクセス道路として利用されるなど、企業立地の促進、周辺地域の活性化などに欠かせない重要な道路と考えています。 しかしながら、河合町西穴闇交差点から川西町保田に至る現道は、道路が狭隘で、すれ違いが困難な区間がある中、朝夕には多くの通勤の車が通行します。通学の児童や高齢者など、歩行者の安全が心配される状況です。この区間については、川西町保田から河合町池部を結ぶバイパス道路を、県が長楽工区として整備を進めておられ、課題解消への期待を寄せているところであります。この長楽工区のうち、整備が完了する川西町保田から河合町市場の約五百メートル区間については、今年度に供用する予定と伺っております。供用による効果を期待しているところであります。残る区間についても早急に整備を完了していただき、一日も早い全線の開通が望まれるところであります。 そこで、県土マネジメント部長に伺います。 天理王寺線の長楽工区における現在の進捗状況と、今後の見通しについてお聞かせください。 最後に、土木事務所の用地職員について要望します。 ご存じのとおり、県内には七つの土木事務所があります。道路河川の整備や、維持管理、水防業務や災害復旧など、県の土木行政の最前線を担う非常に重要な組織です。土木事務所によって多少異なることがありますが、土木、建築、事務職員など、約六十名程度の職員が実に多岐にわたる業務に対応しています。 その中でも、用地買収はこれができれば事業の完成ができる重要なものです。私の地元では、先ほど質問した天理王寺線香芝王寺道路をはじめとして、重要な事業が進められています。所管の土木事務所は頑張っていますと言いますが、私が聞いている限りでは、用地課には配慮が必要な職員も多く、またほかの課も手いっぱいで、やりくりが困難というのが現状のようです。他の事務所もよく似た状況ではないでしょうか。 皆さんは頑張ってもらっていますが、私は大変危機感を持っています。用地課は県民と直接やりとりをする最前線です。県民に納得して協力していただくためにも、用地課の充実が必要不可欠です。知事は常々用地買収の重要性を訴えておられます。私の危機感もおくみ取りいただき、用地交渉を担当する職員の配置に格段のご配慮をいただきますよう要望しておきます。 いろいろ提案させていただきましたが、私の壇上からの質問は以上です。知事はじめ、理事者の各位の積極的なご答弁お願いいたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)十三番乾議員のご質問がございました。議員と、また支持者の皆様に心を込めてお答え申し上げたいと思います。北葛のためにも一生懸命頑張りますので、県勢発展のためにぜひ力を合わせて頑張らさせていただきたいと思います。 最初は、県と市町村の連携強化による行政サービスの向上と効率化をすべきというご質問でございます。 行政サービスの向上のためのデータの活用は、大事なご指摘だと思います。県民により信頼される行政を展開するためには、県や市町村が統計データを積極的に活用して、エビデンスに基づく立案、いわゆるエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、EBPMと言われるものを進めていく必要があると思います。議員のご指摘のありましたアンケートは、これと同じエビデンスでございますが、種類が少し異なっているようにも思います。気持ちを推しはかるデータ、主観データというようにも思います。どちらもエビデンスでございますが、うまく利用しなければいけないとも思います。 このような統計重視の行政改革には、統計データの精度、また余り偏りのない結果を確保することが重要でございます。サンプル数も十分ないといけないと思います。県民アンケート調査は全体で五千件の配布で、有効回答が五〇%でございます。それでも大変優位性が高いわけでございますが、これを市町村別に分けますと、聞く範囲も広いので、使うところの優位性といいますか、結果が十分判断できない場合もあるように思っております。そのため、県全体の動向と、また六つの大きく分けた地域別に使っている状況でございます。 市町村での使い方を議員ご指摘になりました。その中で、市町村のランキングを公表するということも大きな見える化の一環でございます。奈良県市町村サミット地域フォーラムで市町村別のデータをお示ししているところでございます。市町村からは、成績表といって嫌がられておりますけれども、それに奮発して努力をされている市町村も見受けられますので、効果もあると思います。主観データも大事ですが、主観データは地域差よりも立場の差がよく出るデータかと思います。高齢者と若者、男性と女性、既婚者と未婚者のように、立場の違いをはかるのにはいいかと思いますので、客観データと主観データを合わせて市町村行政の、サービスの質の向上に使っていきたいと思っておりますので、今後とも努力をしていきたいと思います。 その中で、行政サービスの向上の中で、財政運営の効率化のために県と市町村が連携すべきではないかというご指摘がございました。これも大事なご指摘だと思います。県内市町村の財政状況は大変厳しいものでございます。あまり成績がよくないのが県の状況でございます。今後の人口減少、少子高齢化社会におきまして、限られた職員数で質の高い行政サービスを維持するためには、行政の効率化の努力は必要かと思います。どのようにするのかというのが課題でございます。県では、市町村が従来の枠組みにそれぞれがフルで全部できると思わないで、周りの人、また県と連携・協働にすることによって効率化を図ろうと、いわゆる奈良モデルと言われる取り組みに賛同していただいております。 そのような取り組みの具体的な取り組みといたしましては、複数の市町村による事務行政サービス共同アウトソース化によるスケールメリットを生かした経費削減、また県域全体での人材を育成し、組織運営に活用するパーソネルマネジメントと呼んでおります専門人材の共同確保の取り組みなど、新しい取り組みも出てきております。持っております経営資源を最大限有効に活用していきたいと思います。その中で、AIとかロボットに仕事をさせるといった先進技術の取り組みも出ております。共通の武器にもなる先ほどおっしゃいました情報そのもの、また情報処理システムを共同の武器として利用する共同処理システムを共通化するといったことも考えていきたいと思います。これまで共同の努力をしてきておりますので、それを土台にして、これからも頑張るぞという市町村の行財政運営の効率化への取り組みをしっかり下支えしていきたいと思います。市町村が頑張るぞと言っていただければ、助けるぞと県は応えていきたいと思っております。 西和医療センターの移転、三室にあります西和医療センターの移転整備についてのお問い合わせでございます。 現在、県の西和地域における医療の中核を担っております西和医療センターでございますが、前身になります県立三室病院の開設以来四十年が経過して、施設の老朽化が進んでおります。そのため、今年度から始まった県立病院機構第二期中期目標・中期計画において、西和医療センターの今後のあり方を検討することにしております。 具体的には、一つに西和地域における今後の医療需給の見通しを立てる必要があろうかと思います。二つ目には、昨年五月に開院いたしました奈良県総合医療センターはじめとする近隣の他の医療機関との連携と、三室病院との役割分担をどのように考えるかという検討が必要でございます。三つ目には、病院の建てかえをする際の機能、またその規模などについての検討が必要でございますので、県と病院機構が連携して検討することにしております。 今年度の検討のテーマでございますが、一つには西和医療センターと西和地区の主な疾患の現状と将来推計を行うことにしております。また、医療提供体制、病院やクリニックなどの需給の状況などを検討することにしております。また、三つ目には西和医療センターが将来担うべき医療機能は何か、診療科はどれに重点を置くか、また欠かせない診療科は何かといったことなどを検討していきたいと思います。また、それらを達成するための整備の手法、また、どこで、どの場所でするかなども検討対象になってくると思います。 このような検討を踏まえまして、来年度からは医療の現場や関係機関との調整に入っていきたいと思っております。今後の西和医療センターの医療機能の明確化と移転建てかえも含めた整備方針を検討する段階に入りたいと思います。今後とも県と病院機構が連携しながら、西和医療センターのあり方の検討を深めたいと思います。そのスケジュール感でございますが、第二期中期目標・中期計画が令和五年度まででございますので、それまでには基本計画を策定したいと思っておりますが、できればそれが終了するまでもう少し早い、次の中期目標には新しい西和医療センターの姿が見えるようにということを願っております。そのためには、終了までにというよりも、次の計画がスタートできるように基本計画を立てて、確立していきたいと思っております。 次のご質問は、馬見丘陵公園魅力アップ作戦、また渋滞対策のご質問でございます。 馬見丘陵公園では、平成二十二年度の全国都市緑化ならフェアの開催を契機に、今イベントの充実を図っておりますが、年五回程度開催しております。その結果、県内外から年間百万人を超える来園者が来られる本県を代表する公園、また本県の名所にもなってきているように思います。今後も馬見丘陵公園のさらなる魅力向上を図っていきたいと考えております。花の種類や本数をふやすこと、また新しいイルミネーションなどについても毎年充実を図ってきているところでございます。 また、最近はやりのインスタグラムやホームページによる情報発信の強化も行ってきております。特に、チューリップの本数でございますが、春のチューリップフェアでは来春のチューリップを四十一万株から五十万株に拡大したいと思います。最初たしか二十万株ぐらいからスタートしたと思いますが、目標は百万株でございますので、やっと半分に達すると叱咤激励をしております。 来園される方々へのアメニティー向上でございますが、夏は大変暑いところでございますので、この夏、公園館など三カ所にミストを設置して、涼しい場所を多少つくりまして暑さ対策を行いました。今後もその充実を図っていきたいと思います。秋のフラワーフェスタでは、子どもやお年寄りが園内の彩りを見ながら快適に移動できるよう、電動カートによる移動支援を実施したいと思います。これが恒常化ができたらと思っております。さらに、公共交通の玄関口となります近鉄池部駅からイベントメーン会場である北エリアまでの約一・一キロメートルが緑道区間でございますが、花の街道として植栽による彩りづくりを進め、散策しながら会場に来ていただく名物の緑道になるようにしたいと思っております。 議員がご質問のありましたイベント時の渋滞対策でございますが、一昨年度に北エリアに百二十台の臨時駐車場を整備いたしまして、これまで全体で八百七十二台の駐車場を確保いたしましたが、まだ足りないように聞いております。今後も渋滞状況を踏まえながら、整備を進めたいと思います。また、議員からご指摘のありました公共交通の利用による来園促進にも取り組んでいきたいと思います。 これらの取り組みにはまだまだ改善の余地はあろうかと思いますので、公園のさらなるグレードアップを図るため、地元自治体と連携を図っていくことが必要だと考えております。ことし、北葛城郡四町と馬見丘陵公園連絡会議を設置したところでございます。お互いにアイデアを出し合って、馬見丘陵公園がさらに魅力いっぱいになるように取り組んでまいりたいと思っております。 次のご質問は、大和川流域の治水対策でございます。とりわけ、内水被害を防ぐ対策になります。 県では、これまで大和川流域の浸水被害軽減について、河道掘削などの流す対策と、雨水貯留浸透施設などのためる対策を組み合わせて推進してまいりましたが、平成二十九年十月の台風二十一号において、河川の水位上昇に伴い、合流する河川や水路の流水が流れ込めずに周囲に湛水する内水浸水被害が発生いたしました。乾議員もボートに乗っておられる写真をたびたびお見せ願いまして、乾議員がもうボートを持っていく必要がなくなったと思われるようになるまで内水対策に完璧を期したいと思っております。 昨年五月より、新たなためる対策として、内水による家屋の床上、床下浸水被害の解消のため、市町村と連携して、必要な貯留施設などを適地に整備する奈良県平成緊急内水対策事業を進めてまいりました。これまで有識者から成る適地選考委員会において、十三市町で三十九カ所が必要貯留量と思われます量の一〇〇%に相当する適地候補地が選定されてまいりました。今年度からは新たなステージといたしまして、地元調整等の準備が整った箇所から工事着手に移行したいと思っております。まず、田原本町などにおいて工事着手の準備を進めております。合わせて、御所市や議員ご地元の広陵町などでも市町と連携して地元調整を行い、用地確保に努めてまいりたいと思っております。 本施策の推進のためには、計画的かつ着実な事業実施の体制が重要でございます。市町ごとに事業実施計画を策定し、その事業進捗状況をフォローしていきたいと思っております。 今後、防災、減災、国土強靭化のための三か年緊急対策の予算や、国の補助制度を最大限活用して、予算の確保に努めていきたいと思います。内水による床上、床下浸水被害解消のため、市町との連携をしながら、この事業を推進してまいるつもりでございます。 私に対するご質問は以上でございました。ありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 山田県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(山田哲也) (登壇)私には二問質問がございました。 最初は、特殊車両の通行許可の審査に関して時間を要しているが、どのように迅速化を図っていくかというご質問でございました。 今の道路法の第四十七条で、議員言われたようにトレーラー等一定の大きさや重さを超える特殊な車両を通行させるときは道路管理者の許可が必要と定められています。先ほどもお話しになられましたが、車両の大型化に伴って、全国でも特殊車両の通行許可件数は五年で一・四倍、約三十七万件にふえており、奈良県ではそれを上回って一・六倍、約三千四百件に増加しているところでございます。 問題は、本県の特殊車両に関する事務処理の状況ですが、平成二十九年度に一つの指標として一日約十四件処理ができました。一日約十四件処理ができたのですが、担当課の中でほかの緊急事案への対応等により、昨年度はその十四件が九件に落ち込みました。それによって許可が大幅におくれたことで、許可申請者とかほかの道路管理者にご迷惑をおかけしているという状況でございます。 今年度からは、今それを改善するために、一つは課の中で担当外の職員も可能な範囲でこの特殊車両の事務処理を補助したり、七月中旬から国の国土交通省近畿地方整備局から技術的に支援をいただく等の対策を実施してございまして、八月末時点で昨年度の九件だった処理件数が十八件まで向上いたしました。倍になりました。 その一方で、今年度も受け付ける件数が、昨年度を上回って月に最大三百六十件ぐらい入ってきています。昨年度処理が遅かったので、処理できなかった八百三十件の処理もございまして、それもまだ六百二十件ぐらい残ってございます。要するに二百件しかまだ減っていないので、さらに改善を講じていく必要があります。 具体的にどうするかということで、申請件数もさらに増加することも予測されますので、例えばでございますが、外部委託を使うこと等によって、ほかの機関とか関係者にご迷惑をおかけしないように体制の強化方策を検討していかなければならないと考えてございます。 次の質問になります。天理王寺線の長楽工区の現状と今後の見通しでございます。 県道天理王寺線長楽工区でございますが、川西町保田から河合町池部の約一・七キロメートルを整備する事業で、平成二十二年度から事業を進めてございます。この事業によって、大和平野中央部の横軸、東西方向のネットワークが形成されて、周辺にあります工業団地へのアクセス向上等が期待されます。 事業の現状でございますが、議員言われましたように、川西町保田地区から河合町市場地区に至る五百メートルの区間を、今年度末供用を目指して今工事を進めてございます。少しでも早くなるようにはしたいと思ってございますが、今年度末を目指しているという状況でございます。残る区間は、河合町城古地区には用地買収完了、池部地区につきましても用地測量等で十八人のうち二人とは契約が完了してございます。 ただ、河合町の長楽地区では、今まで地元説明会してございますが、環境悪化とか地域分断の意見が出てございまして、地元調整に時間を要している状況でございます。引き続き町と協力しながら事業への理解を得られるように努めたいと思ってございます。今後とも地元の方々にご協力いただきながら、全区間の早期完成に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。ご支援よろしくお願いいたします。 ○副議長(森山賀文) 十三番乾浩之議員。 ◆十三番(乾浩之) 知事初め理事者の皆様、ご答弁ありがとうございました。また、知事におかれましては、心強いお言葉をいただき、また地元のために頑張って、議員としてやらせていただきたいと思います。 時間もあまりありませんが、西和医療センターの整備については、地元の期待も大変大きいところでありますので、一日も早く実現できるようお願いしておきます。 また、馬見丘陵公園ですが、毎回毎回私も絶えず質問させていただいていますけれども、先ほど知事がおっしゃったように、目指すは百万株、できるだけ早くやっていただいて、私は勝手に言っているのですけれど、第二の奈良公園になるように、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。 そしてまた、大和川に対しましても、国に予算要望に行ったときにもいろいろなお話の中で、私の地元のことをいろいろ力強く言っていただいて、完璧にまたこの内水被害をなくすという取り組みを知事は今強く言っていただきました。引き続いて、一日も早く内水被害をなくすように取り組みをお願いします。 そして、特殊車両の件におきましては外部委託でもしていただいて、工事がおくれることにならないようにひとつよろしくお願いします。 最後に、天理王寺線ですが、一日も早い全線の供用をよろしくお願いして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 次に、一番小村尚己議員に発言を許します。--一番小村尚己議員。(拍手) ◆一番(小村尚己) (登壇)皆さん、改めまして、こんにちは。私は、生駒郡選挙区選出、自由民主党の小村尚己でございます。初めて一般質問に立たせていただきます。奈良県民の皆様、これから四年間、皆様からいただいた信託に応えるため、精いっぱい頑張らせていただきます。よろしくお願いいたします。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問をさせていただきます。 まず一点目でございます。県内全域への周遊観光の促進についてであります。 観光庁は、平成二十八年に発表した「明日の日本を支える観光ビジョン」の中で、観光資源の魅力を極め、地方創生の礎にする。観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業にする。全ての旅行者がストレスなく快適に観光を満喫できる環境にするということをうたっています。 こちらのパネルをごらんください。このグラフは、外国人客、いわゆるインバウンドの訪日、訪奈良の近年の状況でございます。二〇一八年には、訪日外国人客数は二〇一三年からの五年間で約三倍の三千百十九万人。対して、奈良県に訪れている外国人の数は二〇一八年には、五年間で約五・六倍の二百五十八万二千人になっております。 さらに、国は環境整備をすることによりインバウンド客をふやし、二〇三〇年には訪日観光客数六千万人、外国人旅行消費額十五兆円、訪日外国人延べ宿泊者数一億三千万人、外国人リピーター数三千六百万人、日本人国内旅行消費額二十二兆円を目指しております。このように、今国が目標を設定し、結果を出していっております。 では、奈良県はどうでしょうか。国が観光立国を目指している中、奈良県における観光客数も近年急激に増加しています。平城遷都一三〇〇年祭が開催された二〇一〇年には、延べ入込客数は四千四百六十四万人で、二〇一一年には東日本大震災や紀伊半島大水害の影響で落ち込んだものの、それ以降は増加を続けております。二〇一八年には四千四百二十万人と、過去最高の二〇一〇年に迫る人数となっております。この結果は、奈良県においても観光振興に注力し、ホテル誘致や受け入れ環境の整備、さらには仏像展示などの海外プロモーション、また東京の奈良まほろば館も活用し、首都圏でのプロモーションも展開してきた結果だと思います。率直に、奈良県の観光は変わってきたと私は思っております。 しかし、一方で観光客は奈良市に集中し、県内全域への周遊、滞在はまだ実現してないのではないかと私は思っております。県の平成二十九年観光客動態調査によりますと、奈良市を含む北部エリアへの延べ観光客数は一千六百三十九万人と、この五年間で五四・三%伸びているものの、ほかの地域は微増にとどまっており、西和エリアにおいては六百三万人、一二・四%の増にとどまっております。 このパネルは、県が先ごろ公表した奈良インバウンド観光戦略二十年ビジョン第一期計画骨子案、この目標値を入れております。二〇二三年と二〇三七年のそれぞれの目標が県でも設定されております。外国人旅行者数については、二〇二三年には四百万人、二〇三七年には七百万人、外国人延べ宿泊者数については二〇二三年には九十万人、二〇三七年には一人一泊していただく予想で七百万人、そして、注目している数字なのですけれども、奈良市以外の地域での外国人の宿泊割合は二〇一七年には一五%ですが、二〇二三年には一八%、二〇三七年には三〇%まで高めると、この骨子案の中ではされております。 これまで観光地としてなかなか発展してこなかった奈良県において、奈良市への投資をされたことにより、今、奈良県の観光は実を結び始めていると思っています。そして、これから奈良県は次のステージの花を咲かせていくために、奈良市以外のところでも観光業が盛んになっていくことが重要であると私は考えております。国が目標を立てました。県もそれに準じて立てていきました。次は市町村だと思っております。そして、県と市町村がその目標を共有し、実現していかなければならないと思っています。 そこで、知事にお伺いいたします。 県内全域への周遊観光を促進するために、県と市町村が連携して目標数値を立てていき、その目標に向かって県でやるべきこと、市町村でやるべきことの役割分担を明確にして取り組んでいくべきだと考えておりますが、お考えをお聞かせください。 続きまして、二点目の質問でございます。聖徳太子プロジェクトについてです。国と県全体の観光について、一つ目の質問は聞かせていただきました。二つ目は地域のことでございます。 私の地元である生駒郡、西和地域においては、二〇二一年に聖徳太子一四〇〇年御遠忌がございます。私としては、この一四〇〇年御遠忌を迎える聖徳太子をテーマにした事業を起爆剤として、今後の観光客数の増加を図っていくことに力を入れていくべきだと考えております。これまでに県もシンポジウム等を実施していますが、いよいよ二〇二一年度の聖徳太子一四〇〇年御遠忌まであと二年になります。先ほど質問させていだいた目標値を市町村と共有した後、それを実現する上で奈良県にとっても大事な西和への観光の機会と捉えて、県としてもぜひとも力を入れていただきたいと考えています。 そこで、知事にお伺いいたします。 二〇二一年には聖徳太子没後一四〇〇年を迎えますが、県における聖徳太子プロジェクトの取り組み状況及び二〇二一年に向けた取り組み方針についてお伺いいたします。 三点目は、県内のサイクリングロードについてです。 奈良県に観光に訪れた方に、奈良県内のいろいろなところに行ってみようと思っていただき、奈良県の滞在時間、消費金額をふやしていく、そのためには交通が重要であると思っております。奈良交通も世界遺産の周遊型バスを二十一日から二十三日まで実証運行することにいたしました。非常に期待しているところでございます。 さて、その交通面で今回は奈良県も取り組んでおられるサイクリングロードの整備についてお聞きしたいと思います。 奈良県が実施しているサイクリングロード、「ならクル」なのですが、現段階で専用の自転車道を全て整備することはなかなかできないということは理解できますけれども、しかし、ルートが何個もあり、わかりにくいというのが私の率直な感想であります。 また、路面整備、メンテナンス等は行われているのでしょうか。路面のよしあしは、タイヤが非常に細いロードバイク等に乗っている方にとっては、自転車に乗ると道が整備されているのかされていないのかというのは非常によくわかります。奈良県に来て宿泊したけれど、あんまりいい旅館がなくて、奈良への旅行の思い出がいい思い出ではなくなる。もう一度奈良を訪れたいとは思わない。リピーター客にならないということがあるように、奈良に来て自転車で観光しようという人が、自転車道がでこぼこで道が悪い、標識も同じ色でよくわからず迷ってしまった、奈良に観光しに行っていいイメージがないまま帰ってしまい、リピーターにならないということが起こってしまわないでしょうか。 こちらは、奈良県が配布しております「ならクル」でございます。奈良テレビさん、できればテレビに向かってこちらの左上を拡大していただければありがたいのですけれども、この市街地の部分でございます。非常にルートが多く、土地勘のない観光地に来て、自転車で観光しようと思わないのではないかと私は思っています。私なら、奈良市からほかの地域に行こうと思えません。見るからに複雑だと思います。それなら、このルートの中で奈良県が推奨しているルートを二つ三つ決めてしまう。そして、その二つ三つのルートに対しては優先的に自転車道をつくる。標識、カラー舗装を色分けして行う、そういった整備をする。そういった選択と集中を行い、優先度をしっかりと決めることで自転車道はよくなるのではないかと私は考えております。 私は、思い切って今奈良県が計画している京奈和自転車道をしっかりと整備された後、それから周遊するコースを奈良県が推奨して決めてしまうほうがいいと思っています。例えばですけれども、奈良公園、平城宮跡、薬師寺、法隆寺のような世界遺産周遊ルート、明日香から斑鳩を結ぶ太子道ルート、天理と桜井を結ぶ山の辺の道など、核となるルートを決め、そのルートについては、それぞれ路面の色を変える。標識の色を変え、路面標示も行う。奈良県に来て自転車で観光をしようという方は、まずここを走ってくださいというようにするべきであると私は思っております。そして、その観光客に行く先々の休憩所など、各市町村、地域のよりコアな自転車道もあるということをそこで知っていただいて、今度来るときは信貴山の道をヒルクライムしてみようかというように、そういったところにつながってくると私は思っています。特に欧米の人なんかは、滞在期間が長いですから、あと一日奈良の違う道を自転車で走ってみようとなる可能性が出てくるのではないでしょうか。あのルートもこのルートもどのルートもあるということが、奈良県の自転車道はどこを走ったらいいのかわからないということに私はつながっていると考えております。 そこで、県土マネジメント部長にお伺いいたします。 計画されている京奈和自転車道の整備と並行して、今一度自転車道のルート化に優先順位をつけて、選択と集中を行いながらサイクリングロードを整備するべきだと考えますが、ご所見はいかがでしょうか。 次に、学力向上に向けたICTの活用についてに移らせていただきます。 奈良県は、落ち着いたまちなみ、平穏な住環境からベッドタウンとして発展してきたというのが私の認識であります。そして、この自然が残る落ち着いた雰囲気の中で、今文化振興にも非常に奈良県は力を入れていただいていると思っています。だからこそ、私は歴史と文化が息づくアカデミックな県づくりというのが奈良県の重要な形なのかなと思っております。そういった奈良県を私は目指しています。しかし、私は数年前から憂いていることがございます。それは、県内の全国学力・学習状況調査の結果が、小学校、中学校ともに右肩下がりになってきていることでございます。 先日山中議員も質問されたので、少し重なる部分もございますけれども、平成十九年度から始まったこの全国学力・学習状況調査、国語と算数、数学の平均正答率について、本県と全国との差の推移を折れ線グラフであらわしてみました。全国学力・学習状況調査ですが、平成十九年度、小学校の国語では〇・八ポイント、算数では〇・六ポイント、全国より少し上回っていたのですけれども、平成三十一年度には国語では三・八ポイント、算数では〇・六ポイント全国より下回っています。中学校の結果も同様に、平成十九年度には国語では一・二ポイント、数学では一・八ポイント全国より上回っていたものが、現在は国語も数学も全国平均を〇・八ポイント下回る結果になっています。このように、十年前と比べると、全国平均に対して、県内の小中学生の学力は低下傾向にあることがわかります。 先ほど私が申しました歴史と文化が息づくアカデミックな県づくり、そういった観点からも、学力向上に向けた取り組みは私は喫緊の課題であると思っております。 この結果を県としてどう考えておられるのか、また、どういった対策を今後していこうと考えておられるのでしょうか。 そして、今回、私からは学力向上に向け、ICTを活用した教育をより推進することを提案させていただきます。 学力向上について、今ICTが私立中学や民間教育の間ではどんどんと導入されています。特にタブレットを使った教育であります。例えば、近畿大学附属の中学校では生徒が一人一台タブレットを持っており、宿題もメールで配信されたり、デジタル教科書で英語の発音を聞きながら自宅で学習をしたりされています。民間の学習塾などもICTを使った教育が既に始まっております。 私は、これを公教育の中でも取り入れていくべきではないかと考えています。それは、学力の底上げにつながると思います。例えば、中学校二年生が小学校五年生のときにつまずいた算数、その中で、今中学校二年生の数学の授業を聞いていてもわかるわけがないのです。その子にとったら、今わからない中学校二年生の授業を受けるよりも、小学校五年生のときからやり直して今の授業まで追いつける、そういったことに時間を使う方が、その子にとって有意義な時間であると私は考えます。 現在の教育制度で、なかなか四十人のクラスの中で教員も足りない中、ある子には小学校五年生の授業、ある子には四年生、ある子には中一の授業ということは不可能だと思います。しかし、ICTを活用することによって、習熟度別学習を実現することができます。こういった形で、ICTを利用することによって、学力の向上を図るのが一つの方法だと私は思っております。 そのために、ICTの整備が必要になってまいります。実際、奈良県の数値を見てみると、まだまだ低い水準にあります。そして、各市町村が整備するにはなかなか費用が追いつかない。エアコンの設置の際もそうでしたけれども、国、県が補助を出すことによって、奈良県下で相当の市町村数のエアコンの設置が実現されたと思います。奈良県として、あの猛暑で県内の市町村も早くエアコンをつけるようにと補助金を出したと思います。 私は、これから教育への投資の一つとして、タブレットまたはタブレット型PCなどICTの導入を急ぐ必要があると考えております。 そこで、教育長にお伺いいたします。 平成十九年度以降の全国学力・学習状況調査の結果について、県教育委員会としてどのように捉えておられますか。また、学力向上のためにはICTを活用した教育の推進が急務であると考えていますが、ご所見をお伺いいたします。 最後になりましたけれども、西和医療センターの移転検討についてでございます。先ほど先輩議員も質問されたので、西和医療センターの現在の状況については理解させていただきました。同様の質問になるので割愛させていただきますけれども、ひとつ知事と医療政策局長に要望だけさせていただきます。 私は、西和医療センターが現在ある生駒郡選挙区選出の議員でございます。今回、西和医療センターについては、地域の医療状況を調査した上で県として判断をされるということについては、それはそれで私も結構かと思います。奈良県全体を見渡して、ここが西和医療センターの移転地として適切だという判断は県としてされることがいいと思います。新たに病院が来る地域にとっては、身近に病院ができるので、それは非常にありがたいことだと思います。 しかし、身近な病院がなくなる地域も一方で出るということは考えていただきたいと思っております。県としての調査をしっかり周知して、県の考え方を示し、市町村、そして住民にご理解いただけるように、しっかりと努めていただきたいと考えます。また、その際には跡地についてもどのような活用があるのかということも早急に検討していただきたいと思っております。今まで住民に身近であった病院がなくなる、また跡地も住民にとってご理解いただけないものとなるとすれば、なかなか住民の理解は得られないと私は思います。今後また調査をされ、西和医療センターの移転を検討する際には、今申した点もご考慮いただきまして、しっかりとした手続を踏まえ、住民との一定の合意形成ができるように考えていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。 以上で、壇上からの私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(森山賀文) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)一番小村議員のご質問がございました。 私に対しましては、まず県内全域への周遊観光の促進についてのご質問でございます。 県におきましては、リニア中央新幹線の奈良市附近駅の設置が見込まれる二〇三七年というのは大きな区切りになります。それを見据えた戦略的なインバウンド観光施策を展開するため、奈良インバウンド観光戦略二十年ビジョンの策定に取り組んでいるところでございます。六月議会に報告させていただきました奈良インバウンド観光戦略二十年ビジョン第一期計画骨子(案)では、四項目の目標値を上げております。一つは外国人旅行者数、二つは外国人延べ宿泊者数、三つ目は奈良市以外地域での宿泊割合、外国人旅行消費額でございます。その目標値や今後五年間に取り組む施策の項目などについてお示しをいたしました。 インバウンドの獲得は、地域間の競争になってきております。地域の努力と知恵が試させるフィールドでございます。県と意欲のある市町村が連携して、地域の自然、歴史、文化資源などを最大限に活用した観光地づくりを推進していきたいと考えております。このような県二十年ビジョンの策定実行に当たりましては、県と市町村の連携をもとにした奈良モデルの考え方に立って進めていくことが効果的であろうかと思っております。 具体的な進め方につきましては、六月に発表いたしました奈良新「都」づくり戦略(案)におきまして、インバウンド戦略に参加する地域を選定し、地域ごとに戦略を立てることと、戦略地域の市町村等の関係者と地域ごとの戦略の方針を検討し、それぞれの役割を明確にするといった案を示したところでございます。共同戦線を張りましょうという考え方でございます。今後市町村との対話などを通じ、議論を深めてまいりたいと思っております。 この一環といたしまして、八月二十六日の県・市町村長サミットにおきまして、県と市町村との連携協働における地域ごとのインバウンド観光戦略の策定について市町村長に呼びかけを行いまして、現時点においては複数の市町村から関心が寄せられております。意欲のある市町村の積極的な取り組みを期待しているところでございます。 二つ目の地域プロジェクトのご質問でございますが、地域プロジェクトと申しましても国家的なプロジェクトの色彩もございます聖徳太子プロジェクトでございます。 県では、聖徳太子没後一四〇〇年を迎える二〇二一年という節目の年に向けて、聖徳太子の功績をたたえるとともに、その魅力や奈良県とのきずなを広く県内外に発信するため、聖徳太子プロジェクトとして、県内市町村と連携した情報発信や、太子ゆかりの文化資源を活用したイベント等を実施してきております。 これまでの行ってきた具体的な取り組みでございますが、平成二十八年度から毎年聖徳太子シンポジウムを開催しております。有識者による基調講演やパネルディスカッションにより、聖徳太子に光を当てることを目標にしております。市町村の太子関連事業を紹介することなどにより、聖徳太子の魅力を改めて発信したいと思ってまいりました。今後二〇二一年に向けた機運醸成のステージを上げるため、今年度は奈良県域を出て、大阪で聖徳太子シンポジウムを開催することにしております。また、二〇二一年は東京での開催を考えています。 また、平成二十八年に聖徳太子を地域の誇りと捉え、地域のシンボル的な歴史文化資源として活用する意欲のある県内二十市町村と、聖徳太子プロジェクト推進協議会を立ち上げました。協議会の取り組みとして、太子ゆかりの市町村をつなぐ連続講座やウオークイベントを実施するなど、構成団体の太子関連事業を有機的に連携させつつ、県内全域の機運醸成に取り組んでいきたいと考えております。 今後は大阪府太子町、兵庫県太子町、大阪市天王寺区など、県域を越えた太子ゆかりの近隣自治体などからも推進協議会に参画していただく予定をしております。聖徳太子に思いを持った県内市町村、近隣府県市町村それぞれが有する太子関連の歴史文化資源と、構成団体の知恵と熱意を結集して、全国的に発信できる意義あるプロジェクトとなるよう、検討を進めてまいりたいと思っております。 私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 山田県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(山田哲也) (登壇)私には、自転車道のルート化に優先順位をつけて、選択と集中を行いながらサイクリングロードを整備すべきだというご意見でございました。 まず、奈良県の自転車道整備の考え方でございますが、これまでも申し上げてございますが、平成二十二年に奈良県自転車利用推進計画をつくりました。ソフト政策とハード政策を車の両輪として推進してございます。 ソフト施策では、サイクリストに優しい宿、自転車の休憩所等を認定したり、サイクリングマップを制作して情報発信の充実を図るなど、民間事業者等の協働により取り組んでまいりました。 ハード施策では、先ほど議員言われましたけれど、県内に三十一ルート、延長六百キロメートルの広域的な自転車利用ネットワークである「ならクル」を設定したこと、あとは平成二十七年からは京奈和自転車道について、東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年の概成を今目指して整備しているところでございます。 特に、その「ならクル」に関しましてさきほどお話がございました。「ならクル」というのは、三十一のサイクリングルートを今提示してございますけれども、奈良県内を自由に周遊できるよう、ループを形成して奈良の自転車による楽しみ方を無限大に提供できるという趣旨で設定したようでございますけれども、今後観光振興の観点から整備方針を考えていく中で、そういう点も踏まえて検討していくべきだと思います。 具体的にはでございますが、議員言われましたようにまず京奈和自転車道の完成に向けて整備をやると。合わせて世界遺産周遊サイクルルートということで、先ほど「ならクル」のうち、世界遺産などに接続するものについて、青色のラインとか矢羽根みたいな路面表示を整備して、案内サインの設置と合わせて京奈和自転車道に連動させるということを考えてございます。 こういった施策も、今年度(仮称)奈良県自転車活用推進計画を取りまとめることとしてございますので、その中で機動性と適度な広域性を持つ自転車ならではの新しい発見を楽しみ、さらには健康増進にもつなげていただけるよう、自転車道の整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。以上でございます。 ○副議長(森山賀文) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)一番小村議員のご質問にお答えをいたします。 私には、これまでの学力調査の結果をどのように捉え、ICTを活用した教育を推進し、学力向上を図るべきと考えるが、どうかとのお尋ねでございます。 学力・学習状況調査における本県児童生徒の結果は、調査開始当初は全国平均を上回っておりましたが、グラフにございますように、小学校では平成二十四年、中学校では平成二十一年度を境に低下をし、平成二十六年度から小学校、中学校とも全国平均を下回る教科が見られるようになり、その後も低下傾向にございます。何とかしなければならないと強く思っております。 教員の指導力に問題があるのではと思い、教員採用にも目を向けてみました。小学校では、学力低下のターニングポイントとなる平成二十四年度を採用数のピークに、昨年までの十年で約二千人を新規に採用しており、教員の約三割が入れかわっております。このことを考え合せてみますと、ベテラン教員の大量退職と、若手教員の急増が学校の教育力に影響を及ぼしているのではないかと危惧をいたしております。今しばらく若手教員がふえる中で、ベテラン教員の経験的な指導、ノウハウの継承に頼ることには無理がございます。やはり、若手教員には中心となって新たな授業力向上の手だてとして、積極的にICTを活用することで、学力調査の結果の右肩下がりに歯どめをかける熱意を期待いたしております。 そのため、全ての市町村において、教員一人一台のパソコンの整備をしていただけるよう、おくれている市町村には私みずからが出向いてまいり、首長と教育長に国の地方財政措置や整備の重要性を訴えてまいりました。前向きな回答をいただいて、全教員にタブレット端末を整備する市もありましたけれども、残念ながら子ども向けの整備はいまだ進んでいないというのが現状でございます。 県教育委員会では、今年度、県立教育研究所にICT教育を担当する部を設置いたしました。画像や動画など、教育用コンテンツを蓄積しておりまして、一人一台のパソコンが整備されれば、教員が誰でもすぐに授業で活用でき、授業改善が進むことで、子どもの学力向上にも効果があると考えております。今後は、教育研究所のICT担当部が時代の最先端を行くよう、組織の強化を図ってまいります。 子どもの学習へのタブレット端末の活用でございますけれども、来年度教育研究所で不登校の子どもに対するさまざまな支援のあり方について、研究する予定をいたしております。不登校の子どもが学習のおくれを取り戻すには、議員お述べのように、タブレット端末による学習は効果的であると考えられますので、支援の一つとして検討してまいりたいと考えております。 また、来年度開校する県立国際高等学校では、生徒に一人一台のタブレット端末を持たせて、教育活動を展開する予定でございます。その実践の成果を広く紹介することも考えております。今後も効果的な教育のモデルを示すことで、学力向上につなげてまいりたいと考えております。以上でございます。どうもありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) 一番小村尚己議員。
    ◆一番(小村尚己) ご丁寧にご答弁いただきまして、ありがとうございました。 知事からも観光面についてまずご答弁いただき、県域を越えた取り組みということをおっしゃっていただきました。私もそこまでの県域を越えてということを余り考えていませんでしたので、非常にアドバイスをいただきましてありがとうございます。 知事がいつも言っておられます奈良モデルの対等、補完、協力の観点で、これから生駒郡西和を中心とした地域もしっかりとこの聖徳太子のプロジェクトについて協力していきたいと思っておりますし、私も各市町村の首長さん、またこの県政とのパイプ役となって聖徳太子の二〇二一年度のプロジェクトについて、しっかりと頑張ってまいりたいと思っております。ありがとうございました。 三つ目の質問のサイクリングロードについて、「ならクル」というのは自分でルートを決められるというご答弁もあったのですけれども、この「ならクル」が前に出ることによって、私は非常にルートがわかりにくくなっているのかと思っています。 そしてまた、県土マネジメント部長から、その京奈和自転車道を整備した後、各市町村からのアクセスを考えていると言っていましたけれども、私自身はやっぱり奈良市からこれぐらいの距離でこのルート一つ回っていきますよ、私が紹介した奈良市から薬師寺、法隆寺等行けるルートであったり、山の辺の道であったり、太子道であったりだとかという形で色を変えて整備することをご提案させていただいたのですけれども、その点についてもう少し、私わかりにくかったので、もう一度ご答弁いただきたいと思います。 ○副議長(森山賀文) 山田県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(山田哲也) 済みません、私の説明がよろしくなかったかもしれない。世界遺産周遊ルートのサイクルルートの話でございますけれども、今言われましたように、今奈良県にございます三つの世界遺産とか世界遺産の暫定リストというので、ご質問があって数えてみると、そこを通っている「ならクル」が今十個ほどございました。六十のうちのまず十個ありましたと。それを全部なのか、おっしゃるように二、三、四、五に絞るのかというのは知恵を絞るところかと思いますけれど、まずそういったところを活用していくことになろうかと思います。その上で、さきほど奈良県自転車活用推進計画をつくっていると申し上げましたが、その有識者からもそういったそのスポットを巡るルートは必要だろうと言われていますので、そういった方々の意見も聞きながら、少し絞り込みをやっていきたいと考えてございます。以上です。 ○副議長(森山賀文) 一番小村尚己議員。 ◆一番(小村尚己) ありがとうございます。そういった形で、選択と集中というところで、私は今後サイクリングロードについて考えていただきたいと思っています。この点につきましては、委員会等で私もしっかりと注視していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 そして、四つ目の質問であります学力向上に向けたICTの活用なのですけれども、国の財政措置があるということを教育長はおっしゃいましたけれども、今後各市町村にこのICTを活用した教育を整備していこうという中で、県としてこういった補助制度も創出していくというお考えがあるのか、またそういった計画、何年度には各市町村の子どもたちにタブレットを一人一台提供しようという計画を、もし立てておられるのであれば教えてください。 ○副議長(森山賀文) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) まず、私が回らせていただいて、教育長がこの国の地方財政措置についての理解が進んでいないといった、国の措置に対する理解が進んでいないがゆえに、なかなか市町村で要求ができていないといったケースも多々ございましたので、まずはそれをベースに私どもは教育委員会として考えていきたいということでございますので、県で補助するというふうなことは今は考えておりません。 ○副議長(森山賀文) 一番小村尚己議員。 ◆一番(小村尚己) 今のところ、国の財政措置の理解を進める、その中で各首長さんが投資をされるところはされていくということなのですけれども、先日も浦西議員の質問だったと思うのですけれども、やっぱり各市町村財政にもいろいろな市町村がございますので、こういった県からの助成制度と、補助制度ということもひとつお考えいただきたいと思います。これは要望させていただいておきます。 そして、最後の五つ目の要望なのですけれども、西和医療センター移転の検討については、跡地ということについてもしっかりと考えていただきたいと思います。もう一度ここで念を押させていただきたいと思います。 これで私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○副議長(森山賀文) しばらく休憩します。 △午後二時二十九分休憩    -------------------------------- △午後二時四十五分再開 ○議長(粒谷友示) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、十一番池田慎久議員に発言を許します。--十一番池田慎久議員。(拍手) ◆十一番(池田慎久) (登壇)奈良市山辺郡選挙区選出、自由民主党の池田慎久でございます。奈良の安心、元気、未来をつくることを目指し、県議会議員二期目も常に住民に寄り添いながら、現場の声、地域の願いを県政に届け、未来志向で県勢発展に取り組み、私に与えられました責任と使命を果たすべく努力をしてまいる所存でございます。議員各位並びに知事をはじめとする理事者の皆様、そして県民の皆様のご指導を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げまして質問に入らせていただきます。 まず初めに、平城宮跡のにぎわいづくりと整備の推進について、荒井知事に質問させていただきます。 平城宮跡は、昭和二十七年に特別史跡に指定され、平成十年には古都奈良の文化財の構成資産の一つとしてユネスコの世界遺産に登録された本県の優れた文化資産であり、魅力ある観光資源であります。 これまで、文化庁による朱雀門、東院庭園、第一次大極殿正殿の復原が完成し、平成二十二年には平城遷都一三〇〇年祭が盛大に開催されました。その後においても、平城遷都一三〇〇年祭のにぎわいを一過性のものにならないよう、平城京天平祭が開催されるなど、多くの観光客や県民が訪れる観光地としてにぎわっております。また、平成二十年には国営公園として整備されることが閣議決定され、現在も平城宮跡歴史公園として整備が進められております。そのような中、昨年三月二十四日に朱雀門ひろばがオープンし、平城宮いざない館など魅力ある各施設に多くの観光客が訪れております。 昨年九月の定例県議会の一般質問において、私から、この平城宮跡歴史公園が奈良公園と並ぶ奈良市内の観光拠点として発展をさせたいとの考えを申し上げましたところ、荒井知事から同じ思いを持って整備に取り組んでいるとの見解をお示しいただきました。早速交通アクセスの利便性向上を図るため、平城宮跡歴史公園と奈良公園を結ぶ直行バス路線、ぐるっとバス大宮通りルートをつくっていただきましたことに感謝を申し上げます。以前から申し上げておりますように、最寄りの駅となる近鉄大和西大寺駅からのアクセス強化のために、次はぜひ大和西大寺駅とのバス路線をつくっていただけますようお願いするところであります。 さて、平城宮跡歴史公園においては、すばらしい施設が整備され、交通アクセスも改善されつつありますが、まだまだ不足しているのが誘客のためのプロモーションであると私は感じております。 そこで、荒井知事にお尋ねします。 平城宮跡歴史公園のオープンから一年余りがたちましたが、今後さらに整備を進めていく中で、より多くの観光客に訪れていただけるよう、誘客のためのプロモーションなどを強化していく必要があると考えますが、知事のお考えをお聞かせいただきたいと思います。またあわせて、朱雀大路東側の整備の進捗状況についてもお聞かせいただきたいと思います。さらに、平城宮跡歴史公園南側の積水化学工業株式会社の工場跡地をどのように整備していくおつもりなのか、知事のご所見をお聞かせください。 次に、奈良市中町の道の駅の整備についてお尋ねします。 奈良市中町の道の駅の予定地は、今から約九年前の平成二十二年に開催されました平城遷都一三〇〇年祭のときに、奈良市の中心市街地の交通混雑の緩和を図るため、自家用車で来訪された方を平城宮跡などの会場へバスで輸送する、いわゆるパーク・アンド・バスライド駐車場として士地を購入し整備されたものでありますが、平城遷都一三〇〇年祭の後は、平成二十三年度、平成二十四年度に開催されました平城京天平祭のパーク・アンド・バスライド駐車場や、全国大会規模のスポーツ大会などの臨時駐車場として数回活用されていた程度であり、目立った活用はされておりませんでした。 そのような中、この県有地は交通の利便性が高く、利用価値の高い士地であることから、平成二十九年、奈良県が道の駅として整備すると決定していただきましたことは、県有地の有効活用による地域振興と活性化につながるプロジェクトとして期待感が高まり、注目をされています。 この奈良市中町の道の駅の整備については、本年六月の定例県議会において設計予算を議決しており、今後は施設の詳細設計や関係機関との協議が進められることとなり、いよいよ本格的に動き出したところでありますので、知事にお尋ねをいたします。奈良市中町の道の駅は、どのような機能を持った施設になるのかお聞かせいただきたいと思います。また、この場所は第二阪奈有料道路や県道枚方大和郡山線、そして奈良市道が交差する交通結節点であり、西ノ京や法隆寺、富雄丸山古墳など観光スポットにも近いことから、ゲートウエー機能を発揮し、多くの観光客にも利用していただけるよう、とりわけ奈良方面からのアクセス道路が重要と考えておりますが、荒井知事のお考えをお聞かせください。 次に、奈良県が管理する道路の改良や維持管理の強化について、県土マネジメント部長に質問をいたします。 奈良県においては、骨格幹線道路ネットワークの整備促進が重要な課題となっており、京奈和自動車道をはじめとする道路網の整備が進められております。 そのような中、令和二年度政府予算編成等に関する提案・要望の中で、重要物流道路のネットワーク強化を図り、企業立地の潜在力を高めるため、京奈和自動車道に接続する東西軸の強化策として、第二阪奈有料道路と京奈和自動車道を結ぶ第二阪奈・京奈和連絡道路の整備や、企業立地や定時性、交通安全の確保を実現するための名阪国道の抜本的な見直しを国士交通省へ要望されました。 さきの代表質問で、南北軸である京奈和自動車道が全線事業化され、整備が促進されていることから、今後は企業立地の潜在力をさらに高めるため、京奈和自動車道に接続する東西軸の強化が重要であると荒井知事のお考えを聞かせていただきましたし、私も第二阪奈・京奈和連絡道路の整備や名阪国道の抜本的な見直しを進めることは、本県にとって大変有意義なことであり、大いに賛同するものであります。これが実現しますと、南北と東西を結ぶまさに骨格幹線道路ネットワークが構築され、奈良県内の企業立地がさらに進むと考えますし、県内の観光周遊にも大きなメリットがあると考えておりますので、引き続き国への要望活動を強力に推し進めていただきたいと思います。 さて、奈良県では奈良県道路整備基本計画を策定し、骨格幹線道路ネットワークの形成とともに、目的志向の道路整備を推進すべく鋭意ご努力をいただいております。企業誘致や観光振興、生活の利便性、安全・安心で快適に利用できる道路整備、とりわけ県管理道路の改良整備については、まさに未来への投資であるとともに、日常生活においてはもちろん、若者流出等による過疎化や少子高齢化の流れを食いとめるためにも、財政状況厳しい中ではありますが、必要性や優先度に鑑みて積極的に事業化を進め、より多くの予算を確保して、計画的に整備していくべきと考えております。 また、奈良県が管理する道路の日常的な維持管理については、士木事務所において奈良県が管理する道路約二千キロメートルの適切な維持管理やパトロールを通して、私たちが安全・安心で快適に通行できるよう日々ご努力いただいておりますが、予算上の制約もあり、路線によっては道路の維持管理が行き届かず、沿道の樹木が道路に覆いかぶさり、まるでトンネルのようになっているところや、道路側溝が堆積土砂で埋まり、側溝の機能が失われているところも見受けられるとして、ことし二月の県議会一般質問で私から指摘をさせていただき、強く要望したところであります。 県管理の道路を覆う樹木の枝葉が建築限界内にはみ出した場合の伐採等については、県土マネジメント部長から、緊急性とか地元の要望に鑑みて、道路法第十二条に基づき樹木の枝葉の伐採を行って、道路管理者において積極的に道路空間の確保に努めるよう徹底してまいりたいとのご答弁をいただき、奈良土木事務所管内では、早速ことし六月から七月にかけて一部伐採をしていただきましたし、維持管理の予算も昨年度より県全体で約二億円増額をしていただいておりますことに、県民の立場から感謝を申し上げたいと思います。 しかしながら、県内各地から寄せられる道路維持や補修等の要望の全てを当該年度内に改善できている状況にはありません。現状まだまだであります。 そこでお尋ねします。県管理道路の改良予算や道路の維持管理の予算は決して十分に確保されているとは言えず、県民の要望や期待に応えられていない状況にあります。県勢の発展や地域の振興・活性化、安全・安心の観点から、道路改良や道路維持管理のための予算の拡充がぜひ必要だと考えますが、県土マネジメント部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 最後に、奈良県土砂災害対策施設整備計画について、引き続き県土マネジメント部長に質問させていただきます。 大雨が西日本を中心に長時間降り続き、甚大な被害をもたらした平成三十年七月豪雨災害を受け、水害や土砂災害から生命と財産を守るための備えをより一層強化する取り組みが始まっています。平成三十年七月豪雨では、同時多発かつ広域的に浸水被害や土砂災害が発生し、二百六十三人のとうとい命が奪われました。そして、本年七月三日には九州南部が豪雨に見舞われ、鹿児島県や宮崎県で記録的な雨量を観測し、熊本県を合わせた三県で百九十六万人に避難指示や避難勧告が出されました。また、本年八月二十七日から二十八日にかけては九州北部を記録的な豪雨が襲い、八月二十八日未明には気象庁が福岡県、佐賀県、長崎県の三県に大雨特別警報を発表し、直ちに命を守るために最善を尽くす必要のある警戒レベル五に相当するとして緊急避難を呼びかけました。いずれも河川の氾濫や低地の浸水被害、土砂災害が発生し、人や町を一瞬で飲み込む大きな被害となったことは記憶に新しいところであります。これらの豪雨により被災されました皆様に、心からお見舞いを申し上げますとともに、お亡くなりになられました方々のご冥福をお祈りいたしたいと存じます。 さて、奈良県ではこれまで県と市町村が緊密に連携し、緊急防災体制等の議論を深めるなど、県民の大切な命を守るための取り組みの推進が図られてまいりました。ことし四月には、水害や土砂災害から命を守る行動、備えの取り組みを進めるため、奈良県緊急防災大綱を策定され、減災、災害発生抑制のため、より充実したソフト対策とハード対策に着手されたところであります。 命を守る行動では、自分だけは大丈夫という思い込みがあり、避難がおくれるケースや、行政からの呼びかけや特別警報等が避難行動に結びつかなかったケースを踏まえ、危険の逼迫感を伝え、避難行動に直結する伝わる情報発信や、地域住民同士でお互いに避難の声かけを行うなどの対応が必要であるとされ、また住民を逃がす情報発信として、平常時から災害発生の危険性を認識しておくことや、防災行政無線に加え、緊急速報メールやラジオ放送等の多様な伝達手段を適切に組み合わせることがソフト対策として示されております。 さらに、命を守る備えでは、地域防災力の向上の必要があるとして、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域等の周知徹底や、過去の災害や地形を踏まえた防災教育と啓発が大切であり、また避難体制の強化として、住民参加による具体的な災害を想定した避難訓練の実施や、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域等を考慮した避難所の見直しと整備も示されております。 一方、ハード対策としては河川、ため池、砂防の整備を進めていくとされていますが、近年ゲリラ豪雨が頻発しており、昨年に引き続き、ことしも既に県内でも記録的短時間大雨情報が発表される集中豪雨が発生し、降り始めからの雨量の合計したものである累加雨量が増加するなど、効果的なハード対策が強く求められており、危険な地域に住む住民からは早く対策工事をやっていただきたいと強く要望が出されております。 河川においては、奈良県平成緊急内水対策では、内水被害の解消に向けて、市町村との連携により必要な貯留施設等を適地に整備する取り組みが始まっておりますし、ため池においては、ため池の治水利用の推進や、災害発生防止と減災対策を市町村やため池管理者と推進し、ため池の適正管理と整備を図るとされております。 砂防においては、近年の土砂災害を教訓に、避難所の保全が最重要であり、住民の命を守る行動、命を守る備えを支える真に必要な対策を推進するため、奈良県土砂災害対策施設整備計画を策定し、今議会に提案をされています。 そこで、県土マネジメント部長にお尋ねします。 平成二十三年の台風十二号による紀伊半島大水害をはじめとして、奈良県内でも近年土砂災害が発生していますが、住民の生命と財産を守るため、奈良県土砂災害対策施設整備計画に基づき、今後どのように対策事業を進めていかれるのか、ご説明をいただきたいと思います。 以上で壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(粒谷友示) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)十一番池田議員のご質問にお答え申し上げます。 最初のご質問は、幾つかございますが、平城宮跡のにぎわいづくりと整備の推進についてでございます。まず、誘客のテーマについてのご質問でございます。 平城宮跡は、我が国の歴史・文化のはじまりの地の一つでございます。その面影が現在まで保存されている世界でも類を見ない貴重な文化遺産でございます。現地がわかる都城というのは世界でもなかなかないことがわかってきております。京都の平安京はその跡がどこかわからないということが言われておりますが、平城京はここだということがわかっておりますのはその点でも大変貴重でございます。 平成二十年に国営公園化ができまして、このときでないとできない国営公営公園化であったと思います。拠点ゾーンであります朱雀門ひろばに、国が公園のガイダンス機能として平城宮いざない館を全額国費でつくっていただきました。県が来園者のアメニティー向上のため、交通ターミナルや飲食・物販施設等を昨年三月に開設いたしましたが、国から半額以上の補助が出ております。以来一年間で百三十一万人にお越ししていただきましたが、今後さらに多くの方々に訪れていただく値打ちのある場所だと思っております。 そのような目的のためにでもございますが、春、夏、秋の季節ごとにテーマを設けた天平祭や冬の大立山まつりなどの大きなイベントを開催するとともに、毎年検証を重ねまして、内容の見直しや充実を図っていこうとしております。今年度の取り組みとしては、春は令和への改元を祝うイベントを、夏にはかき氷やこども縁日などを実施し、来月には奈良公園と連携した花のイベントを予定しております。相当広いところでございますので、いろいろなところに使えると思っております。 また、これらイベントをはじめ、平城宮跡の魅力を国内外の多くの方々に知っていただけるよう、JR等公共交通機関と連携した観光キヤンペーンや、東京の奈良まほろば館での情報発信等に努めるとともに、旅行商品の造成等にも取り組んでいます。平城宮跡を見ていただく値打ちのある旅行商品ということが造成の項目になるようにと思っております。 さらに、平城宮跡は、奈良時代を目で見て触れて感じることのできる歴史教育の場として好評を得ております。より多くの学校に修学旅行や遠足等で訪れていただくため、その魅力を首都圏、近畿圏等でさまざまな機会を通じてPRの取り組みにも力を入れていきます。 このほか、平城宮跡歴史公園へのアクセスを強化して、ことし四月から奈良公園と平城宮跡をダイレクトで結ぶぐるっとバス大宮通りルートを通年運行を始めました。今後ともこれらの取り組みにより、いろいろな要素を考えて発展をさせる地域にしたいと思っております。 誘客のプロモーションの結果を見てみますと、遠くから来られるお客さんはよく知って来られているように思いますし、外国人が歩いて行っておられるようにも思います。近くの方々は、イベントを知らない経験が幾つもあります。お会いした人がこんなことをやっているのか、知らなかった、初めて来たと私に何人もあの近くに歩いて三分の方がたくさんそのようなことでございますので、ぜひ地元の方にも知っていただきたいと思う次第でございます。 二つ目のご質問は、平城宮跡のにぎわいづくりの中で、朱雀大路東側の整備についての状況でございます。 朱雀大路東側の整備でございますが、西側地区の整備が終わりましたので、平成三十年二月十三日に都市計画法の規定による事業認可を取得し、都市公園として事業着手いたしました。公園の補助が出ている地域でございます。約五十億円の整備事業を予想しております。 この地区の整備においては、国土交通省が平成二十年に策定した基本計画に、奈良全体に係る歴史・文化情報の発信や交流の場となる施設として、歴史体験学習館をつくることが位置づけられています。現在、県では歴史体験学習館の整備計画立案に向けた検討及び用地取得に係る交渉を鋭意進めております。 整備計画の立案でございますが、建築や文化財、観光などの有識者十三名から成ります検討委員会を昨年五月に設置し、文化財の保存と活用の観点から検討を進めております。これまでに合計六回の検討委員会を開催していただきました。歴史体験の内容や施設配置計画についてのご検討をいただいております。今後、この検討結果を整備計画案として取りまとめる必要がございます。議会にもご説明の上、来年夏ごろをめどにパブリックコメントを実施し、広く県民のご意見を承ってまいりたいと考えております。 一方、用地取得についてでございますが、既に測量や建物等の補償調査に着手しております。大変なご協力をいただいている様子を伺っております。今後補償調査結果がまとまった方から順次にご説明し、ご承諾を得た上で用地買収の契約をさせていただきたいと考えております。 その南側の積水化学工業株式会社の工場跡地でございます。撤去の工事が随分進んでいるように思われます。この工場跡地は、平城宮跡歴史公園に隣接しております。また、平城京朱雀大路の遺構があるエリアを一部含んでおります。観光・交流拠点としての可能性が極めて高い場所に思われます。 昨年八月、積水化学工業株式会社、奈良市、県の三者で包括連携協定を締結いたしました。建て売り住宅の平屋の住宅、二階建ての住宅が一面に建ってしまいますと、開発の余地がなくなることを心配した経過でございます。これまでに公園の整備やにぎわい機能の創出について、一定の共通の認識が三者で得られている段階だと思っております。 公園整備予定エリアにつきましては、都市公園事業として補助採択がされるよう、国への要望を八月に行いました。朱雀大路を南へ伸ばしていきたいという県の要望をお伝え申し上げました。また、にぎわい機能を予定しておりますその西側のエリアにつきましては、奈良市役所移転候補地にと県がご提案したこともございますが、関与ではなく、ご提案したことはございますが、現時点では積水化学工業株式会社の意向も十分確認しながら、三者で立地情報の収集やまちづくりの検討を進めることにしております。なお、会社による既存工場の解体・撤去工事は、今年中に完了する予定と聞いております。 次のご質問は、中町道の駅の整備についてでございます。どのような機能を持った施設になるのかというご質問でございます。 中町道の駅は、第二阪奈有料道路と県道枚方大和郡山線が交差する交通の要衝に位置をしております。周辺には薬師寺や唐招提寺、県立大和民俗公園などの観光施設もございます。 中町道の駅の主な機能でございますが、議員もお述べになりましたように、交通の要衝でございますので、結節点の機能が期待されます。バスターミナルを設置して、交通利便性の向上を図りたいと思います。ここで駐車をしてバスに乗りかえるケースもあると思いますが、一息入れてもらって法隆寺に行こうか、奈良公園に行こうか、薬師寺に行こうかといったことを考えていただく場所としての機能もあろうかと思っております。 次に、観光ゲートウエー機能としての第二阪奈有料道路からの入り口に位置しておりますので、そのような機能も期待されます。ここで一息を入れていただきますと、観光情報の発信施設を設置いたしまして、今西ノ京では何が行われているのか、法隆寺には何が今展示されているのかというのを、ここまで来れば一挙にわかるという観光情報の発信もしたいと思っております。また、中南和地区も含めた飛鳥では何をしているのか、きょうは天気がいいから飛鳥まで足を延ばそうかといった方も想定して観光周遊の向上を目指しております。 三つ目は、この地域の振興のために果たす役割は大きいと思います。例えば地元農家等と連携して農産物直売所を設置したいと思っております。また、いろいろな物販施設、商業施設を誘致する中で、地元の方がぜひ参画していただければと思います。そのような複合的な機能を持って地域の活性化に役に立てばと思います。 また、最近、ご意見として出てきておりますのは、防災機能の役目を果たしたらどうかということでございます。県の地域防災計画の改定にあわせまして、広域防災拠点としての役割も担えたらと考え始めております。自衛隊等の支援部隊の集結地としての活用や、物資資材の備蓄倉庫の配置なども検討してまいりたいと思っております。結節性の高い地域での広域防災拠点の設置という関連でございます。この四つの機能をもとにした計画の検討を進めております。 現在は、基本計画に基づきまして、バスターミナル駐車場、芝生広場等の施設配置に関する予備設計を行うとともに、管理運営方針の検討を進めております。今後建築物の基本設計や実施設計などにも着手する予定でございます。 また、議員ご質問のアクセスでございますが、奈良方面からこの中町道の駅へのアクセスございます。かつて地元の方の反対で、この第二阪奈有料道路の奈良行方面からのランプが整備できなかった経緯がございます。現在の道路のネットワーク整備の現状からは、主に北の阪奈道路から県道枚方大和郡山線、また奈良市道を通じて入っていただくことを想定しております。県道枚方大和郡山線は、中町周辺で一・六キロメートルを四車線化する事業を実施しております。また、砂茶屋橋の交差点から南側は今年度末の供用を予定しておりますが、残る区間も早期完成に向け事業を進めているところでございます。また、奈良市道につきましても、早期に効果発現が期待できる対策の検討を進めるなど、奈良方面からのアクセスの向上に向け、取り組んでまいりたいと思っております。私に対する質問は以上でございました。ご質問ありがとうございました。 ○議長(粒谷友示) 山田県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(山田哲也) (登壇)私には二点質問がございました。一つ目は県管理道路の改良や維持管理のための予算が十分に確保されているのかと道路関係予算に関するご質問でございました。 議員お述べのとおり、本県にとって道路は欠くことができない社会資本の一つです。そこで、京奈和自動車道や紀伊半島アンカールー卜等の骨格幹線道路ネットワークの形成や企業立地の支援など、目的志向の道路整備を重点的に進めておりますが、道路整備は他府県に比べて立ちおくれている状況です。 また、道路の維持管理についても、職員による道路パトロールや道路利用者等からの通報、また地域の皆様方からのご要望にお応えできるよう取り組んでいますが、維持管理予算は、昨年度、今年度と大変多くの増額をご承認いただいているものの、引き続き厳しい状況にあり、課題箇所に順次対応している状況です。 さらに、橋りょう、トンネル等については平成二十六年度に義務づけられた五年に一回の頻度での点検が完了し、次は点検結果を踏まえた措置を講じる必要があり、老朽化対策に投じる予算の確保も急務と考えており、国へも要望しているところです。 これらについては、今議会に提案させていただいております奈良県道路整備基本計画の改定においても骨格幹線道路ネットワークの形成、最適なストック管理の推進、老朽化に対応した適切な維持管理の実施として位置づけられており、本計画に基づき、選択と集中の深化と道路整備の体系化により必要な予算を確保しつつ、着実に道路整備を進めてまいります。 あともう一問ございます。奈良県の土砂災害対策施設整備計画についてのご質問でございます。今後どのように対策を進めていくのかというお話でございます。 奈良県の緊急防災大綱で、お話になられましたように住民の命を守る行動や命を守る備えを支えるため、近年の土砂災害を教訓に、奈良県土砂災害対策施設整備計画を策定してございます。 奈良県土砂災害対策施設整備計画では、選択と集中により、あとソフト対策と一体となって、真に必要な対策を計画的かつ重点的に進めることとしてございます。手続的には、七月にパブリックコメントや市町村長への意見照会などを実施し、その結果を踏まえて見直しを行い、今議会に上程しているところでございます。計画の中では、議会のご報告でもいたしましたが、人的被害が生じるおそれの高い土石流対策を優先しつつ、土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッド区域の中で二十四時間利用の要配慮者利用施設や避難所、それ以外にアンカールート、第一次緊急輸送道路のアンカールートや現行基準に適さない老朽化堰堤の対策を推進してまいります。 どのように進めるかという話で、整備の方針でございますが、ソフト対策とハード対策を一体的に進めるということが重要だと思ってございます。具体の例といたしまして、さきほどレッド区域の中の要配慮者利用施設の話をいたしましたが、そこでは利用者が安全に避難したり、施設の移転というのは非常に困難ですので、そういうところでは優先的に災害対策、ハード対策が必要だろうと。一方で、避難所というのは市町村にお話ししながら、安全な区域に移せないのかと、そういったソフト対策も入れて、移せないところは災害対策をやっていくと、有効に実施すると、この計画の策定によって土砂災害から県民の安心・安全を高める取り組みを進めてまいりたいと思ってございます。以上でございます。 ○議長(粒谷友示) 十一番池田慎久議員。 ◆十一番(池田慎久) ご答弁ありがとうございました。 まず、平城宮跡について、先ほど知事のご答弁にありましたように、年間百三十一万人の観光客、来場者があったということでございます。これをちょうど一年半前でございますが、朱雀門ひろばがオープンする前と比べてみますと、約二十万人ほどふえたということで、、そういう意味では施設を整備して多くの方に来場いただいている、観光客に訪れていただいているということは大変いいことだな、よかったと思っております。ただ、とはいえ、まだまだ百三十一万人ということで、あの広大な平城宮跡歴史公園の中でいえば、一万人、二万人が来られていても、なかなかにぎわいというところまでのイメージがつかめないのが現状で、いずれにしても、今回取り上げました誘客のためのプロモーション活動というのは大変重要になってくると思います。これから施設整備、東側の県が建てていただく施設、それから南側の積水化学工業株式会社の工場跡地についても整備が進んでいく中で、しっかりと誘客のプロモーションをこの平城宮跡に特化した形で取り組んでいくということも大切ではないかと思っております。 平城遷都一三〇〇年祭が開催されたのが二〇一〇年でございますので、来年でちょうど十年となります。また、折しも藤原不比等の没後一三〇〇年と、それから日本書紀編さん一三〇〇年の年にも当たりますので、この二〇二〇年を一つの新たなスタートとして、より一層の誘客のためのプロモーション活動を強力に推し進めていただきたいと考えております。この点について、知事の意気込みといいますか、お考えがあればお聞かせいただければと思っております。 次に、奈良市中町の道の駅の整備について、先ほどご説明をいただきました休憩施設でありますとか、道路情報、観光情報の発信、地域振興施設ということで、地元でとれました農産物とか加工品、お土産物などもここで提供しよう、あるいは飲食施設においては、奈良の食材を使ったお料理を提供できるレストランをぜひ設置していただきたいと思います。また、今回初めて防災機能を備えたということでございます。そういう意味では、非常に地域住民にとっても身近な施設に今後なってこようかと思いますが、今回特に奈良方面からのアクセス道路の整備ということで、五点、お話をさせていただきました。今確かに県道枚方大和郡山線の整備をやっていただいております。また、奈良市道によるアプローチというのも確かにルート的にはあるわけでございますけれども、例えば奈良市の宝来からちょうど第二阪奈有料道路の入り口、宝来インターチェンジからできるだけ短時間でこの道の駅にアプローチできないか、アクセスできないかということを私は以前から考えておりまして、せっかく全国各地にある道の駅の中でも随分と大規模な道の駅の部類に入ると思いますので、多くの方にご来場いただきたいと思っております。せっかく建てるのだから、アプローチしやすい、アクセスしやすい環境をつくっていくというのは大切ではないかと思っております。 例えば、宝来の第二阪奈有料道路の入り口を起点として考えますと、例えば三碓のインターチェンジまで行って、そこから今拡幅整備を、バイパス整備をやっていただいておりますけれども、枚方大和郡山線を使うと、多分その時間で大阪まで帰ってしまうということにもなるのではないかと思います。また、市道も当然生活道ともなっておりますので、随分混み合って交通量も多い道路でございます。ここで提案なのですが、第二阪奈有料道路から直接ダイレクトに道の駅に入ってくることはできないかと。今NEXCO西日本に移管をされましたので、そのNEXCO西日本との話、あるいは技術的な話等々ハードルは高いとは思いますけれども、第二阪奈有料道路のサービスエリア的な位置づけにできないものかと。例えば立体駐車場をつくっていただいて、上からそのまま、第二阪奈有料道路から大阪方面ですね、おり口がありませんので、アクセスできると、本当に短時間でこの道の駅に到達できるということでございます。もしそれが先ほど申しましたように技術的、あるいはNEXCO西日本との話、なかなか難しいということでございましたら、第二阪奈有料道路の側道が、これ奈良市道なのですけれども、走っておりまして、それを利用する方法というのはないのかと考えております。例えば、県が一定の支援をしながら、阪奈道路から短距離で、短時間でアクセスできるように奈良市道の整備を奈良市にやっていただくという方法があるのではないかと考えております。これは単に中町道の駅へのアクセス道路の整備にとどまらず、奈良県総合医療センターへのアクセス向上にもつながりますので、救急搬送時間短縮や、来場者の利便性向上にもつながると、ぜひ奈良市とのご協議をいただければと、私から提案と要望をさせていただきたいと思います。 次に、道路改良や道路維持の強化についてであります。道路改良、道路整備につきましては、今議会に改定されました道路整備基本計画が提案されておりますので、予算審査特別委員会で引き続きお尋ねしたいと思います。 また、道路の維持管理に係る予算の拡充についてでありますけれども、地域からの要望というのは数多くありまして、例えばセンターライン、外側線の引き直し、横断歩道停止線の引き直しとか、ガードレールの設置とか、傷んでいる路面の舗装とか、あるいは側溝の清掃、枝木の伐採などなど、たくさんございます。ぜひ安心・安全で快適に通行できる道路環境を整えていただきたい。予算の拡充については知事に、維持管理や安全対策については県土マネジメント部長あるいは警察本部長にもお願いしておきたいと思っております。 最後に、土砂災害対策施設整備計画についてでございますが、こちらもしっかりと着実に進めていただくことを要望いたします。 ○議長(粒谷友示) 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) 再質問にお答え申し上げます。 まず、平城宮跡のにぎわいづくりのための誘客ですけれども、奈良県のいろいろな施設はポスターに出るとすごく迫力があるのですね。現地に行くとさっぱりやといううわさを聞くので、ここは現地がまだ十分整っていないと私は思っております。いろいろな奈良県のサービスは期待値が高くて、来てがっくりと、これリピーターにならないのですね。期待値が低くて、来たらすごかったというのがリピーターが来ると。ほかでもリピーターが来る。だから、まずサービスを使えることにこの十年間腐心してきました。プロモーションよりもサービス展開をまずやって、これ来てもらっても値打ちありますよと、心の中で思ったら自然とそのプロモーションが成功すると、JR東海さんなんかすごいプロモーションをやってきていただいておりますので、それはありがたいのですけれども、来たときの期待値を上回るサービス、アメニティーがないと絶対観光地としては衰退しますので、まだ地元の人も来られない平城宮跡ですので、地元の人が楽しいところだよと言っていただく、そういうパターンでないと、県だけが遠くで誘客しても絶対衰退します。衰退のパターンと私は思っております。 したがって、その誘客よりも地元のアメニティー改善をまず主としてやります。その結果、誘客をまた手を伸ばしたいと、そういう作戦でさせていただけたらと思います。 二つ目は、中町の奈良方面のアクセスでございます。県の土木のOBで、第二阪奈を愛する会という会がありまして、会長が最近亡くなられたのですけれども、彼から何度か聞いて、悔しいことが二つあると。宝来のランプができなかったことと、この中町のランプができなかった、これ二つとも一部の地元の方の反対でできない。何度も悔しい話を聞きました。その傷がまだあるのですよね。だから、今さらりとおっしゃいましたが、やはり地元の一部、全部ではないですね、一部の反対の傷というのは、我々仕事を進めようと思っている者にとってはすごく深いものであります。もうその人は忘れているかもしれませんが、地元の方はあのときあの人がいなかったらという思いは伝わってくることがあるのですね。そのようなことを思いますと、直ちにおいそれと、それというわけには、気持ちにはならないとはまず思います。また、今度はNEXCO西日本が県の施設からNEXCO西日本に移管しましたので、NEXCO西日本がじゃあやってくれますかと。やってくれたらいいですけれど、そのような案件ではありませんので、県が相当腰を入れてやらなければいけない案件ですので、池田議員、地元の人にそういう反対はもう起きないからと、議員が保証していただくと事業費だけですから、スムーズに進むと。だから、優先をするときに、それと首長の賛成、ご陳情と地元の土地買収の確認というのは道路整備の絶対要件だと思っていますので、ぜひご尽力いただけますように、逆陳情させていただきたいと思います。 最後に、中町への直接アプローチですが、いろいろな案があろうかと思います。一度私のところに案が出てきた。全部否定しました。難しいと正直思います。しかも、奈良市がかむと余計難しくて、ほとんど絶望的になるのではないかと思いますが、これも議員のご尽力で可能に見えるかもしれませんが、相当難しい。だから、NEXCO西日本との交渉、NEXCO西日本もそこまで難しいことは、その意味がNEXCO的には意味がないからやってくれないと私は思いまして、それほどの大工事はまた反対があった地域でありますので、その時点では否定いたしましたが、またそのきっかけがあれば検討してまいりたいと思います。 ○議長(粒谷友示) 次に、八番小林誠議員に発言を許します。--八番小林誠議員。(拍手) ◆八番(小林誠) (登壇)皆様、改めまして、こんにちは。私は生駒郡安堵町、斑鳩町、三郷町、平群町選挙区選出の小林誠でございます。私のことをまだまだ知らない方がおられましたら、これを機に覚えていただきましたらうれしく思います。よろしくお願いいたします。 議長のお許しを得ましたので、通告書に基づき一般質問を行わせていただきます。本日は、四つの項目、一つとしてがん検診の受診率向上に向けた取り組みについて、二つとして児童虐待への対応について、三つとして大和川における治水対策の推進について、四つとして奈良県内の公立学校におけるICT化の取り組みについて質問、確認をさせていただきます。 それでは、最初にがん検診の受診率向上に向けた取り組みの推進についてお伺いをいたします。 厚生労働省が公表している平成二十八年簡易生命表の特定年齢まで生存する者の割合を見てみますと、男性の半数は八十四歳以上、四人に一人は九十歳以上、女性の半数は九十歳以上、四人に一人は百歳以上まで生きる可能性があるとされております。全ての人が百歳まで人生を歩めるとは言いませんが、これからの健康長寿に向けた個人及び自治体の取り組みによっては、さらに長生きできる人がふえていく可能性は十分にあるのではないでしょうか。 ところで、テレビをごらんの皆様、奈良県では健康寿命日本一への取り組みといたしまして、さまざまな取り組みが行われていることをご存じでしょうか。健康の分野では、適切な食生活の推進、スボーツに親しめる環境づくり、自殺対策の推進など、介護の分野では介護サービス提供体制の充実、医療の分野ではがんの予防と医療体制の充実など、さまざまな取り組みが行われております。 本日は、健康寿命日本一への取り組みの中の一つ、がんに絞って質問をさせていただきます。 がんは、国と同様、奈良県においても死因の第一位であります。年間で約四千人の方ががんで亡くなっており、これは死因のほぼ三割を占めております。また、平成二十五年には、一年間にがんにかかる方が初めて一万人を超えました。高齢化社会を迎えた今、健康寿命の延伸のためにはがん対策の推進はますます重要と考えます。 しかし、奈良県全体の職場で実施されているものも含んでのがん検診の受診率は、平成二十八年において、五つのがん検診でそれぞれ四〇%前後となっており、第三期奈良県がん対策推進計画の目標の受診率五〇%とは開きがございます。また、私の選挙区の町が実施しているがん検診の受診率を見てみますと、胃がん、大腸がん、肺がんなどの検診受診率が一〇%台にとどまる自治体が多いのが実情でございます。 本来、がん検診受診率の向上は各市町村の役割であることから、これまで町の担当者には、努力は評価いたしますが、このままの検診率向上のスピードで大丈夫なのでしょうかという問いかけを何度もしてまいりました。町の財政規模や人員配置によるマンパワー不足などにより、がん検診受診率が緩やかにしか改善されない現状を大変心配しておりました。 そこで、鶴田医療政策局長にお伺いをいたします。 奈良県が目標に掲げる健康寿命日本一を達咸するため、がん検診の受診率向上に向けた効果的な取り組み、情報提供が必要と考えますが、これまでの成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。 次に、児童虐待への取り組みについてに、子どもの虐待死事件が後を絶ちません。ことしの一月に起こった千葉県野田市の十歳の少女の痛ましい虐待死事件は記憶に新しいと思います。その後、六月には札幌市でも二歳の子どもが虐待によって命を落としました。さらに、八月末には、鹿児島県でも四歳の子が亡くなっていたことが発覚いたしました。皆さん、忘れていませんか。奈良県でも二〇一〇年に五歳の男の子が餓死をする、そんな痛ましい事件があったことを。 児童虐待の事件が明るみになると、国は直ちに緊急連絡会議を開き、緊急対策を打ち出すのが最近の通例ではございます。その内容を見てみますと、関係機関との連携など、なぜ今さらそのような通達をしなければいけないのか、不思議なぐらいの内容、レベルでございます。既に奈良県下の市町村ではしっかりとした対応ができています。現に、これまで国は何度も緊急会議を開き、緊急対策を打ち出してまいりましたが、児童虐待による子どもたちの犠牲は後を絶ちません。マスメディアを使ったパフォーマンスで終わるのではなく、なぜもっと早くから財政措置や法律で強制的に対応させるような取り組みをしなかったのか、必要だったのにしなかったのか疑問に思っております。 奈良県での今後の取り組みとして、特に、これまで他府県で実際にあった関係機関の職員が、加害者である親に脅され、そんたくし、被害者である子どもを裏切る行為がこの奈良県では今後も起こらないようにする取り組みが重要だと考えております。 そこで、橋本こども・女性局長にお伺いをいたします。 児童虐待が後を絶たない中、若い児童福祉司、経験年数が浅い児童福祉司等をバックアップする体制の充実や、児童の一時保護等の解除時における関係機関との連携の強化、また、子どもからのSOSを早期に把握できる工夫が必要と考えますことから、これらについて現状と今後の取り組みについてお伺いをいたします。 次に、大和川における治水対策の推進についてお伺いをいたします。 近年、台風や梅雨前線に伴う豪雨により、全国的に甚大な被害が頻発しております。記憶に新しい平成二十九年十月の台風二十一号、平成三十年七月の西日本豪雨により、大和川流域の市や町では、河川管理施設の一部損壊、内水による床上・床下浸水が発生しました。たび重なる河川の増水等による浸水被害が地域住民への生活に及ぼす影響は、深刻ではかり知れないものがございます。浸水被害の解消は、市や町はもちろんのこと、国や県の重要な課題でもあり、大和川流域における治水事業の推進が必要不可欠であります。 先ほども他の先輩議員から奈良県平成緊急内水対策事業についてしっかりとした質問があり、完璧なほど答弁をされてしまいましたので、私が聞くことはございません。 そこで、私が聞かせていただきたいのは山田県土マネジメント部長にお伺いをいたしますのは、国が大和川において進めている直轄遊水地の整備及び河道掘削の進捗状況と今後の見通し、事業効果についてお伺いをさせていただきます。 最後に、県内公立学校におけるICT化の取り組みについて質問させていただきます。 現代社会において、身の回りのものにICTが活用されていたり、日々の情報収集やコミュニケーション、生活上の必要な手続など、日常生活における営みをICTを通じて行ったりすることが当たり前となっている現代では、ますます子どもたちにICTを受け身で捉えるのではなく、手段として積極的に活用できる環境、学ぶことのできる環境が必要だと考えております。 また、教育現場をICT化することは、ただ授業で電子教科書を使う、プログラミングを学ぶといったことではなく、子どもはICTそのものを学び、またICTを利用して、従来の教科を効果的に学習することができるようになります。一方、教師はICTの導入によって学習効果のより高い授業を行うことができ、さらに事務仕事の負担を軽減することができるのではないでしょうか。 では、そのような子どもたちに必要なICT環境の整備は私たちの奈良県ではどのようになっているのか。文部科学省が行う学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果では、毎年学校における情報化の実情が公表されております。平成二十九年度の調査結果では、全体的に低い順位のものが目立っており、その現状を奈良県教育委員会の担当者がメディアへのコメントで、現状を真摯に受けとめ、周回おくれ、でも逆手にとってフロントランナーというコメントを載せておられました。その後、教育委員会におかれましては、子どもたちがICTをどう活用できるのか、また大人が子どもにICTを前提に勉強させることができるのかといった奈良県の課題の改善に取り組んでこられたと思います。 先日、文部科学省より平成三十年度の学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果が公表されたことにより、奈良県の取り組みを検証することができます。また、奈良県が導入している校務支援システムが奈良県下の市町村でも試験的に導入され出しました。校務支援システムとは、教員の長時間勤務を解消し、教育の質の維持向上を図るための具体的な解決策の一つでございます。導入された先行事例では、教員一人当たりの勤務時間数を一年間で二百時間以上削減した自治体もございます。教員の校務時間を大幅に削減し、子どもたちと向き合う時間を確保する有効な手段であると考えますことから、吉田教育長にお伺いをいたします。 県立高等学校におけるICT教育の水準を高める上で、さらなる教員の資質向上や施設整備の充実が必要と考えますが、どのように取り組んでおられるのでしょうか。また、県内公立学校における校務支援システムの導入状況及び、市町村立の小中学校における校務支援システムの導入に向けた県教育委員会による支援の実施状況についてお伺いをさせていただきたいと思います。 以上をもちまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(粒谷友示) 鶴田医療政策局長。 ◎医療政策局長(鶴田真也) (登壇)八番小林議員からの質問にお答えします。私には、がん検診の受診率向上に向けた取り組みの推進ということで、これまでの成果と今後の取り組みについてお尋ねがありました。 本県では、健康寿命日本一を目指して、健康寿命に影響が大きい健康指標の一つであるがん検診の受診率の向上に取り組んでいます。 本県のがん検診受診率については、本県での死亡数が一番多い肺がんを例にとると、平成二十八年で三八・五%と、なら健康長寿基本計画の基準年の平成二十二年と比べて一八・三ポイントの上昇を示しているなど、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮がんの五つのがんについて、それぞれ受診率が上昇しています。しかしながら、議員ご指摘のとおり、目標の五〇%にはいまだ達成していない状況にあります。 がん検診は市町村で実施されていますが、市町村ではがん関連のデータ分析が十分できておらず、検診に生かし切れていない状況にありますので、県において分析を行うとともに、がん検診の重要性の啓発に努めています。具体的には、昨年度、がん医療のデータを分析し、がん医療の見える化に取り組んだところですが、その中で改めて、がんは早期発見できれば治るもの。そのためには検診が重要ということがわかりました。このメッセージを県議会、行政、地域、企業等による実行組織であるがん検診を受けよう奈良県民会議等における啓発活動を通じて広く県民に届け、がん検診受診率の向上を図ってまいりたいと考えております。 また、がん検診の対象者に対して、個別に受診を促す取り組みについては、現在は三十七市町村で実施されている状況でありますが、対象者の受診の有無を把握せず勧奨するなど、効果的な取り組みになっていないケースも見受けられます。 このため、がん検診受診への勧奨がより効果的なものになるよう、データ分析の結果に基づき、がん種、男女別年齢層などに応じた受診勧奨の方法や、受診行動につながる案内文の内容について、市町村に具体的、技術的助言を行ってまいりたいと考えております。今後ともこれらの取り組みを進めることにより、がん検診の受診率向上に努めてまいりたいと思います。以上です。ご質問ありがとうございました。 ○議長(粒谷友示) 橋本こども・女性局長。 ◎こども・女性局長(橋本安弘) (登壇)八番小林誠議員のご質問にお答え申し上げます。私には、児童虐待への対応について、若い児童福祉司等をバックアップする体制の充実や、児童の一時保護等の解除時における関係機関との連携、子どもからのSOSを早期に把握できるような工夫についてのお尋ねでございます。お答えいたします。 児童福祉司には、個々の虐待のリスクを見きわめ、子どもを虐待から守り、親に寄り添い、子育てを支援するという、きめ細やかなケースワーク力が求められます。このため、若い児童福祉司をバックアップすることは大変重要であると認識してございます。 現在、こども家庭相談センターに虐待対応の経験が豊富なスーパーバイザーを六名配置しており、職員のケースワークをきめ細やかにチェックし、OJTによる指導を行っているところでございます。また、常時配置している警察官や弁護士からの所見や助言を得て、適正な対応に努めているところでございます。このように、組織全体でコミュニケーションを密にし、経験の浅い職員をバックアップする体制を整えており、今後もスーパーバイザーを中心とした支援体制の充実を図ってまいります。 次に、児童虐待により一時保護所等へ入所している児童を家庭に戻す際には、こども家庭相談センターが市町村や学校、警察等の関係機関の意見を聞き、児童と家庭への支援策を総合的に検討した上で、その処遇を慎重に決定しているところでございます。 さらに、県では児童虐待を受けている子どもからの訴えを早期に把握するため、児童相談所全国共通ダイヤル一八九番で受け付けを二十四時間、三百六十五日行っているところでございます。今後は、このような電話相談だけでなく、県外の自治体がSNS、LINEを活用し、児童虐待相談に対応している先進事例もあることから、そのシステムの仕組みや事業効果など実施状況の情報を収集し、虐待に苦しむ子どもの声が届きやすい工夫を検討してまいりたいと考えています。以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(粒谷友示) 山田県土マネジメント部長。 ◎県土マネジメント部長(山田哲也) (登壇)私には、国が大和川で進めている直轄遊水地及び河道掘削に関する現状と見通しのご質問でございました。 国が今整備していますのは、平成二十五年十一月に策定している大和川水系河川整備計画に基づいて進められています。 直轄遊水地でございますけれども、これまでも何度かご答弁いたしましたが二つございまして、先行的に事業を進めているところが川西町保田地区、もう一つが安堵町窪田地区、二つでございます。川西町保田地区につきましては、ことしから樋門等の工事を実施予定です。安堵町窪田地区につきましては、県の土地開発公社が協力して用地契約が終わってございますので、恐らく来年度から工事に入ると思ってございます。残る三つになりますけれども、斑鳩町目安地区で、以前墓地の移転のご説明もさせていただきましたが、各地区でやっぱり課題がございまして、勉強会を開催してもらうとか、大和川河川事務所で地元や関係者の意見を聞きながら地元調整を進めていると聞いてございます。 河道掘削についてでございますが、王寺町藤井地区で大正橋から葛下川までは昨年度から事業を始めて、おおむね五年で整備をすると聞いてございます。それより上流に斑鳩町神南地区というのもございます。ここで八百メートルの区間をまた河道掘削考えているようですけれど、下流の河道掘削と直轄遊水地の整備状況を見定めて工事を着手していきたいと、大きくそういう話でした。 あと整備効果でございますけれど、これらの整備などで王寺町藤井地点で流下能力を見たところ、今毎秒一千七百立方メートルなのが一千九百立方メートルに向上して、この数字は何かというと、昭和五十七年の洪水を安全に流下させることができると聞いてございます。 奈良県としては、直轄遊水地の事業は用地がございますから、積極的に調整に関与して、河道掘削についても着実に進めていただけるように国に働きかけてまいりたいと思います。以上でございます。 ○議長(粒谷友示) 吉田教育長。 ◎教育長(吉田育弘) (登壇)八番小林議員のご質問にお答えいたします。私には、県内の公立学校におけるICT化の取り組みについて二つの質問をいただいており、一つ目は県立高等学校の整備状況と教員の資質向上についての取り組みについてお尋ねでございます。 文部科学省が平成三十一年三月現在で調査した結果によりますと、教育用コンピューター一台当たりの公立高等学校の生徒数は、全国平均が四・四人に対しまして、県立高等学校は五・二人、大型提示装置の整備率は全国平均が三〇・九%に対して、県立高等学校は二五・〇%となっております。特に大型提示装置の普通教室への常設は、デジタル教科書の活用、あるいはタブレットと無線でつなぐことにより教育効果も高まる、そういったことから、これからの教育に重要であり、整備に向けて今後努力してまいりたいと考えております。 また、教員の校務用コンピューターにつきましては、平成三十一年三月に全ての県立学校において教員一人一台整備をいたしまして、統合型校務支援システムが利用できる環境を整えました。現在学校の実情に合わせて学籍管理や成績管理ができるよう、改良を重ねているところでございます。 一方、教員の資質向上につきましては、平成二十九年度に県立二階堂高等学校、平成三十年度には香芝高等学校をモデル校に指定をいたしまして、授業の改善や教員のリーダーを育成する取り組みを行いました。 教員のICT活用指導力につきましては、教材、指導の準備などにICTを活用することができる、もしくはややできると回答した県立高等学校の教員の割合は八六・五%で、全国平均八八・〇%には及ばないために、今年度は研修の対象者をさらにふやすなど、引き続き教員の指導力の向上を目指し取り組んでまいります。 現在、県教育委員会におきましては、ICT環境整備の推進を重要な取り組むべき課題と認識をいたしております。この認識のもとで、本年六月二十八日に公布、施行されました学校教育の情報化の推進に関する法律において、努力義務とされている都道府県学校教育情報化推進計画についても、今年度中の完成をめどに策定を進めてまいりたいと考えております。 次に、県内の公立学校における校務支援システムの導入状況や、県教育委員会の支援の状況についてお尋ねでございます。 現在、県教育委員会が主導して進めております奈良県域統合型校務支援システムの導入につきましては、今年度生駒市、山添村、平群町、黒滝村の四地域で実証研究を行い、この九月からは奈良市が、令和二年度からは県内の半数以上の小中学校でこのシステムの利用が可能となるように準備を現在進めております。 県全体で共通のシステムを導入することのメリットでございますけれども、それぞれの学校における校務の業務負担の軽減ももちろんでございますけれども、市町村を越えての情報共有ができますので、事務処理の大幅な負担も考えられます。結果として、児童生徒へのきめ細やかな対応、また授業準備等の時間の確保など、教育の質の向上につながることにございます。全市町村に理解、協力を得るために、県教育委員会では各市町村の教育委員会にこれまで説明を行ってまいりました。 なお、統合型校務支援システムの導入にあたり、県教育委員会は県内各市町村の全小中学校のICT環境の調査、それから各種コンサルティング、またシステムの初期設定などを支援いたしております。実際のシステムの導入、運用、活用につきましては、各市町村教育委員会が負担することといたしております。 また、ICT活用教育を推進するためのリーダーを平成二十八年度から養成をいたしておりまして、今年度からは対象者を各校一名程度に拡大をいたしまして、統合型校務支援システムの円滑な導入等にも対応できるよう、内容を充実させてまいりたいと考えております。 今後のことでございますけれども、県立学校のシステム、それから市町村立学校に導入する校務支援システム、この両者のシステム間で、生徒の個人情報の取り扱い等も可能となるように検討してまいりたいと考えております。以上でございます。どうもありがとうございました。 ○議長(粒谷友示) 八番小林誠議員。 ◆八番(小林誠) 理事者の皆様方には、ご答弁ありがとうございました。順番に確認、要望させていただきたいと思います。 まず、がん検診の受診率向上に向けた取り組みの推進についてでございます。私は、担当課におけるこれまでの取り組みについても評価をいたしておりますし、またエビデンスに基づいたしっかりとした具体的、技術的な支援をしていく、指導をしていくということも大変期待をしております。 しかし、それ以上に全ての検診率、がん以外の検診率についても、町村間の受診率がなかなか向上しないということに不安を感じております。高齢化社会を見据えた中で、これまでどおりのスピード感で果たして財政的にも大丈夫なのかと。これまでさまざまな検診率の推移を見てまいりましたが、なかなか数値目標とはほど遠い検診率の実施主体、自治体が多いことに焦りを感じております。また、小さな行政単位で検診率向上に取り組むことの限界も感じております。 そこで、今回ご提案し、ご検討していただきたい手法がございます。ソーシャル・インパクト・ボンドです。ソーシャル・インパクト・ボンドとは、成果の可視化と民間資金を活用して革新的な社会的課題解決型の事業を実施し、その事業成果を支払いの原資にする効果的、効率的な仕組みでございます。わかりやすくご説明いたしますと、民間の資金やノウハウを利用し、革新的な社会的課題解決型の事業を行い、行政はその事業成果に応じて成果報酬を支払います。革新的な点として、一点目、事業の結果ではなく実施した成果が可視化されること。二つとして、成果に応じて行政から支払いが行われること。三つとして、成果が出るまでの事業資金については、行政ではなく民間が資金負担をすることなどが挙げられます。行政は財務的リスクを抑えながら、民間の効果的な取り組みを活用でき、事業者は成果を重視した柔軟なサービスの提供が可能となります。資金提供者にとっては社会的課題を解決する事業へ参画できるとともに、経済的リターンも得られる機会となる事業でございます。日本においても今後医療分野だけではなく、介護や就労、教育の分野などにおいても注目をされております。 国内では、広島県が既に国民のがんの早期発見による健康寿命の延伸を図る観点から、広域的に実施主体である市町村やメガバンク、地元銀行などに働きかけ、がん検診の向上に取り組んでいる事例が既にございますので、ぜひ調査研究をしていただきますように要望いたします。 また、県や三十九市町村の努力により、がん検診の受診率がアップすると、新たな課題が浮き彫りになるのではないでしょうか。それは、がん治療を若い世代が受けると、男性は精巣など、女性は卵巣などの生殖機能に悪影響が出る可能性があります。がん治療の後に妊娠したいという希望をかなえるために、可能な限り生殖機能を温存する治療は近年認知され、広がり始めていますが、保険適用外のため費用が課題となっております。女性では数十万円、男性では数万円程度かかる費用が課題となっております。 そこで、若い世代を支援する必要があるのではないかと考えます。四十七都道府県のうち、十二の府県では助成が既になされています。もちろん、所得や年齢制限はございますが、他の府県でも行われている助成制度の創設が必要だと考えております。また、このような助成制度があることによって、検診や治療そのものを知るきっかけにもなると考えますことから、未来を見据えて、今から調査研究をしていただきますように強く要望をいたします。 次に、児童虐待への対応について、再質問をさせていただきます。 児童の一時保護等の解除時における市町村の意見はどのように反映されているのか。先ほどの答弁ではわかりにくかったので再質問させていただきます。 なぜお聞きさせていただくかといいますと、以前、市町村の担当者が自宅に帰すのはまだ早いのではないかと意見しましたが、聞き入れられなかったという事例がございました。それはどのような理由かは個人情報等でわかりかねますが、どのように今は対応されているのか、まずは橋本こども・女性局長にお伺いをさせていただきます。 ○議長(粒谷友示) 橋本こども・女性局長。 ◎こども・女性局長(橋本安弘) 一時保護等行いました児童を家庭に戻すに当たりましては、まず市町村の児童虐待対策担当課をはじめ、母子保健担当課、保育所、学校、警察署、こども家庭相談センターなどで構成され、全市町村に設置されています要保護児童対策地域協議会、略して要対協と言われていますが、この要対協において個別のケースに関する検討会議を開催いたします。 この個別ケース検討会議において、児童を家庭に戻す場合のリスクの有無や、支援方針と役割分担等について、市町村や関係機関の意見を踏まえて協議を行っているところでございます。その上で、ケースの支援方法やスケジュール等を検討し、児童が家庭へ戻った後にこども家庭相談センターがどのようにかかわっていくのかも含め、対応方針を慎重に決定しているところでございます。今後も地域で子育て家庭への支援を担っている市町村とともに、児童が家庭復帰後、家族と安定した生活を送れるよう、引き続き市町村や関係機関と十分協議し、対応方針を決めるよう努めてまいりたいと思います。 ○議長(粒谷友示) 八番小林誠議員。 ◆八番(小林誠) 子どものことを第一優先にして考えていただきながら協議をしていただきたいと思っております。 もう一点再質問がございまして、奈良県では国の打ち出す施策に合わせて、児童福祉司一人当たりの担当件数四十件を満たす人員を配置するとされておりますが、児童福祉司をサポートするスーパーバイザーが六人と答弁をいただきました。さらには児童心理司の人員配置について、本当に足りているのでしょうか、そのことについてどのように考えているのか、主体的に県としてどのように取り組んでいくのかお伺いさせていただきます。 ○議長(粒谷友示) 橋本こども・女性局長。 ◎こども・女性局長(橋本安弘) 先ほどの壇上からの答弁と少し重なりますが、まずスーパーバイザーの人員配置につきましては、中央と高田の両こども家庭相談センターに虐待対応の経験が豊富な勤務年数五年以上の児童福祉司で係長以上の職にある先ほど申し上げましたスーパーバイザーを六名配置しており、職員のケースワークをきめ細やかにチェックし、必要な教育指導を行っております。 また、スーパーバイザーの教育指導体制のさらなる充実のために、国に対しスーパーバイザーの増員計画を定めることや、スーパーバイザーが個別のケースワーク業務につかず、教員、教育指導に専任できる体制への財政支援を要望しているところでございます。 また、児童心理司業務につく心理判定員につきましては、現在両こども家庭相談センターに合わせて十二名配置しているところでございます。県では来年度からの児童心理司の増員配置に向け、現在採用選考試験を実施する予定でございます。今後も人事課と協議しながら、必要な人員を確保するため、計画的に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ○議長(粒谷友示) 八番小林誠議員。 ◆八番(小林誠) ご答弁ありがとうございます。自治体の対応を見ておりますと、まずは国の動向を見て、国が打ち出す施策に合わせて追いつこうとする姿勢が顕著に見られます。それで本当にいいのか疑問を持っております。児童虐待で住民に身近な自治体が取り組まなければいけないのは、身近な地域で、奈良県において悲惨な事件をなくすことであって、決して国の施策を満たすことではございません。今後奈良県としてしっかりとスーパーバイザーや児童心理司の早期配置、子どもの意思表明権を保障する仕組みなど、国の施策を待つのではなく、主体的に取り組んでいただきたいと思います。 先ほどSNSなどの検討についてもお話をいただきました。既に通報一八九でしたかね、あるとおっしゃっていただきましたけれど、私も八年ほど前に通報させていただいたことがあります。そのときはまだまだ制度として使いにくい番号でして、電話してもすぐになかなかつながらないという状況でございました。やっぱり電話では使いにくい、通報しにくい、まして虐待している保護者自身が通報するそういったこともございます。そういうことを考えますと、もっともっといろいろな方が児童相談所にアクセスしやすい、連絡をとりやすい、そのような手法を考えていただきますようによろしくお願い申し上げます。 また、私といたしましては児童相談所の負担が増員だけでどこまで軽減されるのか疑問でございます。私といたしましても、関係機関の人員配置や職員のバックアップ体制は十分なのか、例えば児童相談所は警察や消防署と同じく、時間外労働をするのに労使間の三六協定を結ばなくていいという例外的な職場でございます。時間外労働の状況や年間の有給休暇取得日数の状況はどうなのか、本当にスーパーバイザー、児童心理司が余裕を持ってしっかりとした対応できているのか、今後職員の皆様から直接事情を聞きながら、国の指示待ちではなく、職員の皆様と一緒になって主体的に取り組んでいきたいと思っておりますので、関係者の皆様におかれましては、ご協力賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 次に、大和川における治水対策の推進について、今日の財政を取り巻く情勢は厳しいものがございます。県民の安全と安心を確保することは国の基本的な責務であり、治水事業を含めた公共事業の推進が必要不可欠でありますことから、直轄事業を推進するための予算の大幅な増額措置をしてもらえるように、国に対してより一層働きかけていただきたいと思っております。 この一般質問に合わせて、さまざまな数値を国に開示をお願いいたしましたけれども、なかなか先ほどの答弁、数値しか開示をしていただけないということだったと思いますので、これ以上は深く追求質問しないようにさせていただきます。 最後に、県内の公立学校におけるICT化の取り組みについて再質問させていただきます。 平成三十年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果の概要を見てみますと、ご答弁いただきました数値だけではどのようにこの一年間、二年間奈良県が取り組んできたのかわかりません。順位で見てみますと、なかなか改善されていないというのが見てとれると思うのです。 奈良県教育委員会としての考え方といたしましては、まずは統合型校務支援システムの導入を優先されたように見受けられます。奈良県下の校務支援システムの導入は、二〇二〇年の秋ごろには三十九市町村のうち約二十七市町村、六九%、令和三年には九五%の自治体が加入すると、いただいたデータで見てとれます。校務支援システムを導入した一年目の支援体制が大変重要であると考えますことから、しっかりと市町村の現場を支援していただきますようにお願いを申し上げます。また、校務支援システムによる業務削減効果を十分に得られるようになるには、一定の期間を要することから、温かく見守らせていただきたいと思っております。 平成三十年度学校における教員の情報化の実態等に関する調査結果の概要を細かく見ていきますと、三十九市町村の項目、教育の情報化の実態に係る主な指標では、市町村の整備状況の格差が見てとれます。国の教育のICT化に向けた環境整備五か年計画においては、二〇一八年度から二〇二二年度までの間に単年度一千八百五億円の地方財政措置が講じられており、標準的な一校当たりの財政措置額は、市町村の十八学級規模の小学校では約六百二十二万円、十五学級規模の中学校でも約五百九十五万円が交付されております。子どもたちの環境格差、教育格差をなくすためにも、適切に各市町村が活用され、市町村間での整備が進むように、先ほどの答弁では教育長が熱心に働きかけていただいているとお聞きしましたので、安心をさせていただきますけれども、やっぱりまだまだ教育格差が起こっております。その点につきましては、申しわけございませんが、さらに努力していただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 また、校務支援システムの導入についての先行事例を調査してみますと、都道府県による初期費用、維持費用の負担の考え方は、都道府県のICT施策全体の推進状況や統合型校務支援システムを利用する学校の範囲により異なるようです。先行事例の中には、初期費用と維持費用の両方を全額負担している都道府県もございます。奈良県の市町村立小中学校における校務支援システムの導入、運用に要する経費について、県教育委員会と市町村教育委員会の費用負担の考え方については、先ほど教育長からご答弁をいただきました。奈良県の考え方は、統合型校務支援システムの仕組みづくりまでを担当すると、維持費用については各市町村が負担すると先ほどご答弁を賜りました。 先ほども申し上げましたけれども、先行事例の中には初期費用と維持費用を全額負担している県もございますので、市町村の負担する維持費用を、奈良県も他の県のように負担することによって、地域間の教育格差、環境格差をなくすために、新たな投資ができると考えております。未来に生きる子どもたちに投資が可能となることから、また改めて県でも負担をしていただけないのか、ぜひとも検討していただきますようお願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 ○議長(粒谷友示) これをもって当局に対する一般質問を終わります。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 次に、諮第一号を議題とします。 まず、総務警察委員会に付託しました議案の審査の経過と結果について、同委員長の報告を求めます。--十三番乾浩之議員。 ◆十三番(乾浩之) (登壇)総務警察委員会のご報告を申し上げます。 去る九月十一日の本会議におきまして、総務警察委員会に付託を受けました議案の調査並びに審査の経過と結果につきまして、ご報告を申し上げます。 当委員会は、九月十九日に委員会を開催し、付託されました議案一件につきまして、理事者の出席を求め、慎重に調査並びに審査を行いました。 その結果、諮第一号につきましては、全会一致をもちまして、本件審査請求については、これを棄却すべきであるとすることに決しました。 以上、総務警察委員会の委員長報告といたします。何とぞ、議員各位のご賛同を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(粒谷友示) 委員長報告に対する質疑、討論を省略し、これより採決に入ります。 お諮りします。 諮第一号については、総務警察委員長報告どおり、決することにご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ご異議がないものと認めます。よって、本案については、総務警察委員長報告どおりに決しました。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 次に、本日、知事から議案三件が提出されました。 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配付しておりますので、ご了承願います。   -------------------------------- △財第八十号  令和元年九月二十日  奈良県議会議長 粒谷友示様                         奈良県知事 荒井正吾     議案の提出について 議第七五号 奈良県警察手数料条例の一部を改正する条例 議第七六号 平成三十年度奈良県歳入歳出決算の認定について 報第三〇号 健全化判断比率及び資金不足比率の報告について 以上のとおり提出します。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 次に、議第七十五号、議第七十六号及び報第三十号を一括議題とします。 知事に追加提出議案の提案理由の説明を求めます。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)ただいま提出しました議案について、その概要をご説明いたします。 議第七十五号は、道路交通法施行令の改正に伴い、公安委員会がやむを得ないと認める事情により、運転免許証の更新を受けることができなかった者に係る運転免許試験手数料及び免許証交付手数料を追加するための条例改正です。 議第七十六号は、平成三十年度一般会計及び特別会計決算の認定についての議案です。 また、報第三十号は、地方公共団体の財政の健全化に関する法律の規定により、平成三十年度決算に基づく健全化判断比率及び資金不足比率について報告するものです。 どうぞ慎重にご審議の上、よろしくご議決またはご認定いただきますよう、お願いいたします。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 次に、議第五十四号から議第七十六号及び報第二十一号から報第三十号を一括議題とします。 この際、ご報告します。 議第六十二号については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第二項の規定により教育委員会の意見を求めましたところ、回答がまいりました。 また、議第五十八号については、地方公務員法第五条第二項の規定により、人事委員会の意見を求めましたところ、回答がまいりました。 その写しをお手元に配付しておりますので、ご了承願います。   -------------------------------- △教企第百号  令和元年九月十二日  奈良県議会議長 粒谷友示様                   奈良県教育委員会教育長 吉田育弘     奈良県教育委員会の職務権限に属する事務の管理及び執行の特例に関する条例の一部を改正する条例の制定に伴う意見について(回答) 令和元年九月十一日付け奈議第八十九号で意見を求められたことについては、下記のとおりです。                   記 令和元年度議案 議第六二号 奈良県教育委員会の職務権限に属する事務の管理及び執行の特例に関する条例の一部を改正する条例 上記の条例案は適当と認めます。   -------------------------------- △奈人委第五十九号  令和元年九月十八日  奈良県議会議長 粒谷友示様                   奈良県人事委員会委員長 松村二郎     職員に関する条例の制定に伴う意見について(回答) 令和元年九月十一日付け奈議第九十号で意見を求められたこのことについては、下記のとおりです。               記 議第五八号 奈良県職員に対する退職手当に関する条例等の一部を改正する条例[第一条及び第二条の部分] 上記の議案に係る条例案は、適当と認めます。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) お諮りします。 予算審査のため、十人の委員をもって構成する予算審査特別委員会を、決算審査のため、十一人の委員をもって構成する決算審査特別委員会を、それぞれ設置することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ご異議がないものと認め、さように決します。 お諮りします。 ただいま設置されました予算及び決算審査特別委員会の委員長、副委員長及び委員の選任については、議長から指名推選の方法により指名することにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ご異議がないものと認め、さように決します。 よって、お手元に配付の予算及び決算審査特別委員会委員名簿のとおり指名します。 被指名人にご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ご異議がないものと認めます。 よって、それぞれ指名のとおり選任されました。   -------------------------------- △令和元年九月 予算審査特別委員会委員名簿(定数十名)           委員長  二十四番  荻田義雄議員           副委員長  十五番  大国正博議員           委員     九番  浦西敦史議員           委員    十一番  池田慎久議員           委員    十七番  佐藤光紀議員           委員   二十一番  田中惟允議員           委員   二十三番  奥山博康議員           委員   二十九番  尾崎充典議員           委員   三十九番  今井光子議員           委員   四十三番  川口正志議員 令和元年九月 決算審査特別委員会委員名簿(定数十一名)           委員長  四十二番  山本進章議員           副委員長   五番  山中益敏議員           委員     一番  小村尚己議員           委員     二番  樋口清士議員           委員     三番  植村佳史議員           委員     四番  川口延良議員           委員     七番  中川 崇議員           委員    十三番  乾 浩之議員           委員    十六番  太田 敦議員           委員   二十八番  猪奥美里議員           委員   三十八番  中村 昭議員   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) なお、議案は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、記載の委員会に付託します。   -------------------------------- ○議長(粒谷友示) 十八番清水勉議員。 ◆十八番(清水勉) 常任及び予算審査特別委員会開催のため、明、九月二十一日から十月六日まで本会議を開かず、十月七日、会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。 ○議長(粒谷友示) お諮りします。 十八番清水勉議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) それでは、さように決し、次回、十月七日の日程は、常任及び予算審査特別委員長報告と同採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後四時二十五分散会...